続・勉強会


「なんで封術師は少ないの?」

「それはね、技術取得が難しいっていうのもあるんだけどもともと素質を持ってる人が少ないの。もしくは素質があるって気づかないまま死んじゃうとか」



ルイトと違い優しくレイカはソラに説明をした。ソラはふうん、と納得する。ソラの問題が解決したとわかるとルイトは続きを話した。



「魔術師や召喚師はだいたい知ってるだろ、ソラ」

「身の周りにいるからね」

「魔術師と召喚師はそれぞれ属性を持っている。それは生まれた時の素質や家系ってのもあるが、極少数は自分で選択できる。属性は最大2つまで。それ以上は脳の処理が追い付かない。現代に多重能力者がいないのと同じだ。異能者はもともと脳を人間よりも活用している。多重能力者はどうか知らないが、現代の異能者では上限がある」

「……なんか話が難しくなってきた」

「つまりね、異能者には限界があって、魔術師と召喚師でいうと属性が2つまでしかないってことだよ」



レイカの方が分かりやすい、とソラがじと目でルイトを見たがルイトは無視。
先ほどから大人しくしているジンは眠そうにしていた。



「能力者にも種類がある。全部で3つだ。例を上げてくからな。まず特化型能力者。これは人間が持ってるもともとの能力が異常に特化してる能力をもつ奴だ。良眼能力のソラもこれだ。俺とレイカ、ジンもそうだな」

「え、レイカはなに?」

「私は記憶力だよ。ジンは身体能力」



レイカが頭を上下に動かしはじめたジンを困ったような笑顔で見ながら言う。ルイトはジンに「寝るならそこで寝ろ。風邪ひくだろ」とベッドを指して肩を揺する。
お前は母親か、とソラは思った。
小さく声が口にこもった状態で返事をしてジンは言われたとおりルイトのベッドにこもった。



「次に普通型能力者。ラカールやシングとミルミだな」

「ルイト先生」

「なんだ」

「この3人の異能を知りません」

「ラカールは時間停止、シングは瞬間移動、ミルミは回復だ。つまり火出したり水を操ったりする奴らと同じだ。特化型以外と覚えとけ」

「了解」

「最後は秘密型能力者だ。目撃するだけで運がいいぞ。秘密型能力者は、レア。強力な異能を持っている。しかも世界にその能力は2つとない。まあ……この前までいたツバサの不死がそれだけどな。あと今ここにはツバサとどういう関係か知らねえけど親密な死神のテアさんもいる」



ルイトがそこまで説明して、続きを言うのを止めた。目線はドアへ。いや、外。どうかしたのだろうか。レイカは首を傾げてルイトと同じところをみたりルイトを見たりと忙しい。
そして大きな雷のように一瞬の音がしてドアが開かれた。
ジンが飛び起きたのとレイカが肩を震わせて泣きそうになるのは同時。



「捜したわよー、ソラ!」

「お前、落ち着いてノックしてからドアを開けろ」

「ソラがいるのよ!?落ち着けるわけないじゃない!」

「そうですか……」



騒々しく登場したのは2人の男女。ソラはつい反射的に「げ」と嫌そうな顔をした。