組織に帰ってきた!



「魔女の死属性、その本質は『干渉』だ」



いつの間にか組織に帰っていたオレが目を覚ましたのは医務室だった。

現在、その医務室のベッドで寝かされているオレのところにリャク様とナナリー、レイカが来ている。本当はリャク様とナナリーではなくウノ様とナイトが来る予定だったらしいが、ウノ様が動けないということらしい。その理由は聞かされていないが大方の予測は着く。

ウノ様は肉体がなく、魂が露出した状態で移動をしていて、通常の異能者の疲労を数倍にして魂に受ける。ブルネー島に現れたウノ様はあのクソ魔女と戦闘を行ったらしく、そのダメージを直接受けた。いまは疲労を回復しているのだろう。このことを知っているのは極一部のひとだと思う。

短剣で切った腕は縫われている。聖属性の魔術で定期的に腕を回復させるらしく、まだオレは安静にしていろ、とカノン様の補佐で医務室を担当しているエテールに言われていた。
リャク様は今回の『事』で関係するオレとレイカに状況を説明しにきていた。魔女関連のことはすべてオレの耳に入れようと集会で決まっているらしいし。



「現在もまだ良聴能力、身体上昇能力、血の契約をしている2人は帰ってきていない。あちらの世界から帰還する魔術を発動させるときに魔女が干渉して同時に帰ってきたということが考えられる。そして干渉し、異常が発生した状態で魔術が発動。予定着地地点がバラバラだったんだろう」

「あ、あの、ソラが島に着いたのはたまたま……、なんですか?」

「偶然と考えるには出来すぎている。魔女と同じところにたどり着き、しかも出身地、事件を起こした場所だ。まあ、オリジナルが目を覚ましたのは海の中みたいだがな」

「え。オレ、海の中って言いました?」

「海水に浸ったことくらい、言われなくてもわかる」

「ああ、そうですか」

「オレの予測を言う前に、一つオリジナルとレイカに言うことがある。
血の契約をしている2人……つまり瞬間移動能力と回復能力は居場所がわかっている。向こうから連絡があった」

「そうなんですか!? よ、よかった……」

「……」



反射的に喜んだレイカはすぐに喜んだが、なんとも思わなかったオレは無言のまま。やり場のない目線がリャク様のとなりにいたナナリーと合った。ナナリーは驚いていなかったがオレは驚いた。微笑んでくれたが、ナナリーの顔はどこか落ち着かない。



「2人は実家にいるらしい。向こうで出発の準備をしたらまた帰ってくる、という。そこで、行方不明となった残り2人の居場所だが、雪国にいるかもしれない」



なぜ