エピローグ
 


漆と純の戦いに決着はすでに見えていた。何度も漆の峰打ちを身体中にアザができていた。それは痛々しく血が滲んでいる。外野で見ているだけの遊自も眉をしかめた。
二人の戦いは純の弾切れと響が死んだとの報告、そして元帥は討たれたとの報告によって幕を下ろされた。

わざわざそれだけを言いに血だらけの境があらわれたが、すぐに部屋の中へ戻っていった。漆と純はついさっきまで互いに戦っていたことも忘れて一斉に境の後を追った。
三人が涙を流して泣き散らし、どこで間違ったのだろうと後悔を繰り返す。時よ戻れといくら願っても叶うはずもない。


世界は無情に進み、止まりはしない。どこへ向かうかもわからないまま進んでいく。


事後処理が完了するまで休戦状態となったがやがて和解。軍部は解散。数年たって、世界には平和が訪れてほとんどの人類が歓喜したのだが、素直に喜ぶことができない少年少女だって存在する。
世界は冷たい。
誤解が解けて平和に歓喜する世界の隅で青年のいない生活を彼女たちは一生送る。武器から強制的に手を離され、一方的に手当てを渡されてお払い箱となった少年少女は静かに世界を嫌った。ハッピーエンドに喜ぶ世界の淵で彼女らはバッドエンドを迎えた。

むなしくも、それが世界だった。