和気藹藹
 



確認しただけでも寄生者は五人いることがわかった。あとから追加されるならそれでもいいのだが、LEが来るだなんて知らないはずだから寄生者は油断している。遅刻でもなければこれ以上数が増えない。
船が到着する前に片付けてしまおう。

大鎌をもって、私は飛び出した。一番近くにいた奴の首を斬り飛ばせば、異変に気が付いた二人の寄生者が振り向いた。
そのうち一人に頭がない体を投げ、もう一人には宙から落ちてきたボールのような頭を大鎌の刃で飛ばし、頭に激突させた。私はニヤリと笑う。



「よっしゃ、ホームラン!!」」



秒違いで他の二人も気がつき、片方が「ひぃ!」と短い悲鳴をあげた。もう一人は持っていた手榴弾のピンを迷いなく抜き取る。私はまだ笑みを浮かべたまま、二つに分けた死体を投げた二人の近くに来た。まだ生きている仲間の近くに私がいれば手榴弾を投げることはできない。仲間思いのおめでたい寄生者は同じ寄生者を殺すことができない。手榴弾のピンを抜いた奴は悔しそうな顔をしてそれを海に投げた。



「……何が狙いだ」

「お前らを殺すことだ」



手榴弾の奴は噛み殺すように言葉を絞り出したが私が即答したことにより、額に血管を浮かばせた。悲鳴をあげたほうは、頭と体が切り離された、ついさきほどまで生きていた仲間の変わり果てた姿に顔が真っ青。動けないでいる。



「はっ、仲間の最期くらい、そんな顔で看取ってやるなよ」



見せ付けるように、足下でくたばる二人の体に刃を貫かせる。真っ青な奴はなにもすることが出来ないようだった。狂って奇声をあげながら私を襲うんじゃないかとも思っていたのだが、どうやら身動きひとつとれないようだ。まあ、こいつは後回しでいいだろう。手榴弾の奴は完全に私に殺意を向けている。新しく手榴弾を手にしていたが、私は隙を窺うなんてことはしないで大鎌をもったまま奴との距離を縮め、一閃をくらわせようとしたが間一髪で避けやがった。しかも避ける際に手榴弾を落としていったもんだから私も爆発から回避する。手榴弾を武器にしているんなら接近戦が苦手分野になるはずだ。そろなら私と奴の距離をゼロにした上で一閃をくらわすのがいいだろう。そこまで考えたのは回避している瞬間。地面に手をついたとき、勢いをバネにして奴に飛び掛かった。そしてその脳天を狙って大鎌で大きな六文字を描くように斬撃した。