プロローグ
 


どうして、こうなったのだろうか。


目の前にいる、見慣れた顔の男はいつものように余裕の笑みを浮かべている。仲間なら、あのときなら、頼りがいのあるその笑みだったのに、今では背中が凍えてしまうくらい冷たく、冷酷で、恐ろしい。



どうして、こうなったのだろうか。

その始まりはいつだったのか。

今ではもう、わからない。

響く疑問に答えてくれる者はいない。