クラスメイト
 







「おは「ひぃっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」……またやってるの?相変わらず子供だねぇー」

「お前だけには言われたくないと思うぞ。」

「バカルイト!石投げるよ!?」

「なんで持ってきてんだよバカ!!外に捨ててこいよ!!」



所変わって教室。元気よく教室に入り、挨拶をするソラの言葉を遮ったのはたまたま教室の扉の前にいた眼帯をつけている少女。
彼女の年齢は17歳であり、13歳のソラと同じクラスにいるとは到底思えない。

ここのような年齢がバラバラの教室は、学園の中でも数少ない。

ここの学園は、実力で上へあがっていく学園だ。ソラは最年少でこのクラスに入った実力者だ。最も、毎晩行う殺しを見ればそのくらいの実力があって当たり前なのだが…。

ここでいう実力とは自分の持つ異能をどこまで把握できるか…。どこまでコントロールできるかにかかっている。



「あ゙?あぁ、ソラか。悪ぃな。レイカが邪魔で教室に入れなかったか。」

「う、う〜ん…?えっと…。邪魔っていうか…」

「わっ、私のせいじゃ……!!」



ソラの横に立つルイトは呆れたという言葉を呑み込み、表情で表していた。

二人の前にいるのは、男女あわせて四人。先ほどから喋らずに困っている二人と、席に座れず床に座り込んで目に涙をためている少女……、レイカと彼女の座るべき椅子を木屑に変えたであろうジン。



「レ、レイカ、元気だそ?ね?飴あげるから…」

「うぅ…。ありがとう…ソラ…」



ソラはレイカの前までいき、自分もレイカと同じように体操座りをして飴を渡す。
レイカは目を潤ませながら飴を口に含み「美味しい」と小さくいった。

ソラはレイカの元気を出そうと雑談を始める。
それを視界に入れていたルイトはジンへ向き直り、説教を始めた。ちなみにルイトの方がジンより年下だ。
困り果てていた二人組は安心して木屑を片付け、教室に余っていた椅子を木屑と交換する。


ルイトによるジンの説教や、ソラによるレイカの慰めに一段落がついた頃に学校にチャイムが響き渡った。
これから朝のSTが始まる合図だ。

教室に入ってきた教師は、教卓に出席簿をおいて教室に「席に着きなさい」と声を響かせた。



「あっ!!ねぇねぇナイト!!」

「先生≠つけなさい。私はあなたの友達じゃないのよ。
で、用件は?」



この教師は、昨夜ソラと行動を共にした女性だ。
表向きでは教師をしている。実際は組織のボスの補佐という立場だ。



「僕いまから学校サボるね。じゃっ!!」

「何を言うかと思ったら……!!待ちなさいソラ!」

「やぁーだねっ」

「ナイスだソラ!俺もついてく!!」



ソラとジンが走って教室を出ていき、ナイトは教室の扉の前まで出たが諦めたのか教室に戻っていった。

ソラは後ろを向くとナイトが教室に入って行ったのをみてガッツポーズをしたが、走っている廊下のガラスが何枚か自分を追うようにして割れたのを見て体を震わせた。



(これナイトの能力だよね…!?あとで殺されちゃうよ!)



ソラは長い長いナイトの説教と、一番始めにおこるであろうルイトの説教を想像して顔にシワを作った。