日常
 


ピピ…



(なんだっけ、この音。
凄く聞き慣れているんだけど、僕の大嫌いな音で…)



ピピピピピピ…!

ピピピピピピピピピピピピピピピピ!!



「うるっさぁぁい!!」

「お、今日は14分28秒だ。昨日より少し早くなったな。」

「っお前は……!!」

「無駄にでかいリアクションありがとう。早く起きろチビ。」

「僕は小さくない!大きいんだ!」

「態度だけな。」



カチ、と目覚まし時計を切る音を聞いてソラはベッドであくびをした。
視界には外の見える眩しい窓が入り込み、部屋全体をを明るく照らしていた。


昨夜の出来事はあの時にいた女性――――ナイトとソラの入っている組織の人しか知らない。



「……あさ?」

「当たり前だろ。俺が朝以外に起こす時があ「授業中。」分かってんなら授業中に寝るな。」



無意味にスローモーションで起き上がるソラの頭をを人影の正体であるルイトは思いっきり叩く。
痛いと喚くソラにルイトは、用意してあった着替えを投げ付けて身支度をするように言った。

顔面で着替えを受け取ったソラはブツブツ文句を言いつつ、洗面所へこもりに行った。


ソラはそこで着替えを行う。が、そこで自分の正体を隠すための1つの手段をする。

それは性別を隠すこと。
ソラは女の子である。しかしソラ本人の声は中性的で、性格も好みも女の子らしいところはあまりない。
そのような所が手伝ってかソラは見事に性別を隠しきっている。


もちろんこのことは組織の人しか知らない。







異変的能力者―――略して異能者―――が発見されてからかなり時が過ぎた。
人々と異能者は共存して生き、現在はなんの差別もなく当たり前の様に過ごしていた。


その異能者にはいくつか種類がある。
能力者、魔術師、召喚師、封術師の四種類だ。


そしてソラが入っている組織は、若い未成年の人がほとんどで形成されている。さらにその組織は四大組織の一つである。他にもあと三つあるのだ。



「あああああ、眠い…」

「顔洗ったか?」

「洗ったけど覚めなフグゥ!?」

「おら、目覚ませー」

「氷水を顔にかけないでよ、冷たぁっ」



正確には氷水に浸したタオルをルイトがソラの顔面に押し当てていた。
ソラが喚くも無視してルイトはソラの目が覚めるまでそれを続けた。