CP無コラボ





「最近流行ってる噂があるんです」

「噂?」

「はい。うちの学校の女子のなかで」

「……ミルミ、それもしかしてガールズトーク? オレ、ちょっと苦手なん――」

「それが、能力者狩りをしているらしいのです。軍が」

「……え?」

「政治家の圧力で、報道されてないみたいなんですけど……」



小さなテーブルを囲んで、正座していたミルミは話をもっと聞かせようと少しだけ前屈みになった。あぐらをかいて座るソラと、体操座りになって静かにきくレイカは信じられないような目をしている。



「能力者って、どっちの?」



この世界にはいくつか種類が分けられる人間が生きている。目立ったものならば、異能者、人間、能力者などだ。ソラたちがいちばん身近に感じているのは異能者。実際、ソラたちがそれに当てはまる。異能者には能力者、魔術師、召喚師、封術師の種類がある。ソラとミルミとレイカはそのなかでも能力者だ。
奥の部屋で寝ているミルミと長い付き合いになるシングや、雑用に呼び出されたルイト、任務中のジン……。ソラたちの身の回りには能力者が何人もいる。

また、異能者に分けられる能力者と、異能者に分けられない能力者とはまったくの別物。
だからレイカはミルミに聞いてみた。



「異能者ではない方です」

「そ、そうなんだ……。怖いね。どうして?」

「さあ。噂ですから」

「関係ないことで良かったよ」

「……ソラ、そんな冷たいこと言わなくても……」

「いまここで同情したってしょうがないでしょ。それに噂。ルイトがそんな情報を持って真実だって言ってもオレたちに何もできないのが現実」

「そんなことはありませんよ」



ミルミは無表情を貫いたまま。ソラとレイカはどういうことなのか解らず目を合わせた。
すると直後、インターフォンが鳴った。ここはシングとミルミの二人部屋。いったい誰だろう、とミルミは玄関へ向かった。

話し声がしたあと、ミルミはまたソラとレイカのもとに戻ってきた。そして、やはり無表情のまま言う。



「ソラとレイカに仕事らしいですよ」




2012/10/06 08:30



prev|TOP|next


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -