サガシモノ





「金を出せ!! 俺たちは参加者だ! 変なことするなよ。この袋に金を入れろ!」



理貴がコンビニで昼食の弁当を選んでいた時だ。突然男の怒鳴り声がして、声がしたレジの方をみると、覆面の男が三人いた。若い女性店員を脅し、店内にいる理貴を含めた数人の客に一人の男が銃口を向けていた。



(……参加者って、ベルムのだよな。ってことは魔武器を持ってるのか。へたに動くより……)

『テメェはヘタレかよ。ヒーローになれよ坊主』

(あのなあ〈モルス〉。黙っておいた方がいいことも――)

『そんなことを言う参加者なんて世界中探してもお前だけだぜ?』

(どういうことだ?)



嫌なくらいに理貴のよく知った声が店内に響き渡った。
高い少女の声。芯が強く、声主は強気だろうと推測できる声だ。理貴はその声の正体を思い浮かべながら少女がいる方を見た。見なければよかった。



「悪名高き強盗は私たちが倒すわ!」



目立っていた。少女は、陽香は殺伐としたコンビニの中でとても目立っていた。陽香の視線は理貴を無惨にもグサグサと突き刺す。
『ほーら』とご機嫌な声音で〈モルス〉は理貴をからかう。



「おいお嬢さん。参加者に喧嘩を売るってことはどういうことか分かってんのか?」

「参加者が犯罪を犯したら即魔武器を回収されて脱落よ」

「うるせえな。正義の味方気取りか? 笑わせんなよ」

「正義の味方なわけないでしょ。三流のあなたたちなんて私たちのいい餌よ」

「はあ?」

「そういえば、言ってなかったわね……」



陽香は強盗の一人との会話を脅えることもなく、いつもの勝ち誇った態度で、落ち着いた態度だった。
陽香は組んでいた腕をほどくと、姿勢を低くした。



「私たちも参加者よ」



陽香の手の中に斬馬刀が出現。鞘を纏ったまま男一人の首筋を思いっきり叩くと、彼はバタリと意識を失って気絶した。
店内にいた数人の客がざわ、と囁いた。



「たかが小娘一人だ、ついでに魔武器を奪え!」

「がってんでぇ!」



理貴は商品の水が入ったペットボトルの蓋を開けて男二人にかけた。見ていただけの理貴だが、さすがに陽香だけに戦わせるには良心が痛んだのだった。

そして状態変化。水を凝固させて無理矢理固体へ。水が固まれば氷だ。氷で男二人の動きを封じると、陽香が先ほどの男と同じように気絶させた。










・・・・・・・・・・・・・・・・










「漫画の主人公みたい!」

「早く食えよ……」

「凄いよお兄ちゃん!」



……………………………………
すみません、力尽きました。
いつか続きは書きます


2012/09/13 08:04



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