▼ 学コラボ 「今日こそ逃がさねえ」 「一年生にして射撃部のエースだからって調子こいてんじゃねえそオイ」 ソラは壁の隅に追い詰められていた。ソラちょうど一メートルほどに複数の荒れた不良の先輩が囲んでいて逃げ場がなかった。撃退しようにもスペースが狭すぎる。否、狭くてもソラには道を開けさせることは容易であった。幼い頃から格闘技という格闘技を、武術という武術を叩き込まれていたソラは素人を相手にすることは赤子の手を捻るように簡単なことだったのだ。 しかしソラは喧嘩を売りはするものの、売りっぱなしで実際に手を出したのはほとんどないのだ。自分に武術教えてくれた師匠が競技や緊急事態でない限り武術を使ってはいけないとソラに教えていたのだ。だからソラは暇潰しで喧嘩は売るが手を出したことはほとんどない。 いつも逃げているのだが、今回ばかりはため息をついた。 視界の隅にはボクシング部と柔道部の部員の姿も確認できる。 「おいソラ。なにやってんだよ。早く帰……」 「あ、ルイト」 ソラがどう切り抜けようか考え始めたところでルイトが現れた。放課後ということもあってか、玄関に起きっぱなしだったソラの鞄を持っている。 「またソラが原因かよ。自分の責任くらいとれよな」 「ちょっと待って。なんでいきなりオレのせいだって決めつけるわけ?」 「じゃあ今回は違うっていうのかよ」 「まあ、原因はオレだ。認める」 「素直に体罰でもくらってけ……、は!?」 以上の会話でソラの身内だと判断されたルイトは不良の一人に殴りかかられた。 すみません、永倉の力が底をつきました…… 2012/04/30 20:30 |
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