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「ガンマうざい。死ね」

「……はぁ、またか」

「彼氷は僕のもの! ガンマは近寄んな」



これは女帝の身近なところで起こる日常だった。

彼氷とは北区マフィアの次期ボスである女帝のことだ。女帝とはあだ名のようなもので、外部からも内部からもそう呼ばれている。「彼氷」と呼ぶ人間は数少ない。その数少ない中に入るのが、ガンマに喧嘩腰の飯田という男だった。
彼の役職は女帝の補佐であると同時に情報操作を担当している。飯田は女帝を大切にしており、「僕の彼氷」などと言っているが、女帝は否定していた。



「黙りなさい飯田。……ガンマ、報告書を」

「っだー! 僕を通して渡してくれないかなあ、ガンマ! 彼氷に直接渡そうだなんておこがましい!」

「るせーよガキ。退け」

「僕よりガンマの方が小さいだろ! とにかく彼氷に近づくな!」




2012/04/24 08:17



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