サッチの小さい妹
「おい、サッチ。客だぜ」
「は、客?」
海賊に客なんてくるのかよ、と問おうとした言葉は腹に突っ込んできた塊に阻まれる。視線を下に向ければ、何処かで見たような色の濃い金髪。どこで見たんだったか。というか、誰だこの子供は。
思わずイゾウを見れば答える気が無いのか面白そうに笑ってやがった。
「…おにいちゃん」
小さな声と共に、顔をあげたその子供は、写真でしか見たことのない妹で間違いなかった。
道理で見たことある髪色の筈だ。毎朝鏡で見てる色じゃねぇか。
そんなどうでもいいことを思ったのが、俺と妹の出会いだった。
から始まるサッチと小さい妹の話。
母親が亡くなって、サッチしか頼る人いないから訪ねてきた。っていうか、お母様頑張ったな。きっと、若い頃にサッチを産んだんだ。
臆病、人見知り、怖がりの癖にサッチには無条件で懐く。サッチさんきゅんときた。なにこれ、守ってあげないと。
で、オヤジに頼んで家族に迎えてもらえばいいよ。それから、皆と色々すればいい。
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