DRRR!! | ナノ
*臨也視点
*来神時代
ホントにさぁ、来神に通い始めてもう一年が経つけど、毎日神経の片隅に障り続けるこのうっとうしい野郎はなんとかならないもんなのかな?てか、なんとかしようとし続けてるんだからいい加減消えて欲しい。
なーんて、愚痴るだけ無駄だってことは知ってるし、消えて欲しいなんて頼み込む自分なんてのを想像するだけで鳥肌が立つからこの願望は口に出さず、企みを実行することに終始するに留めておくよ。
「だからさぁ、今ここから立ち去ってよ」
「手前が先に消えやがれぇぇえええっ!!」
本当に、巫山戯た話だ。なんで後から此処に来たシズちゃんにそんな命令されなきゃいけないんだろうね。
…え?お前が他校の不良と取引してシズちゃん消す計画を立ててたのが悪いんだろってなんのこと?そんなのたしかに俺の目の前で次々シズちゃんに薙ぎ倒されてる奴らが話してたかもしれないけど、俺の知ったこっちゃない。だからさぁ、そこの君にとりあえず盾になってもらおう。
「ぐはっ!!」
「あーあ、盾の役目もろくに果たしてくれないなんて駄目だなぁ。ねえ、そう思わない?」
「手前が俺に殴られて死ねば盾なんざ関係ねえ即時解決だだから死ねむしろ殺す殺す殺す」
見事なまでの般若顔だよねホント。顔だけなら女の子にもてはやされてもおかしくないはずだけど、行動で全部パーにしてるとことか心の底から馬鹿にしてあげるよ。持ってるものを有効活用しない無駄はなはだしい存在であるあたり、どこまでも俺とは相入れないよねえシズちゃん。
…っと、余計なこと考えてると下手したら本当に殺されちゃうよ。あーでも逃げ回るのもいい加減面倒だな。何処かにいいシズちゃんの気を逸らす駒はいないものかな…あ、あれって。
「やだなあシズちゃん、そんな殺す殺す言ってると愛しのあの子に嫌われちゃうよ」
「あ゙ぁ!?」
「なまえちゃんだっけ?俺もまだ君が首ったけだって聞いただけでどんな子かあんまり調べてないんだけど、君を手懐けるなんてどんな子か気になるなあ」
「アイツに手え出したらぶっ殺すいや今殺せば関わることもできねえよなっつーわけで今すぐ」
『静雄さん!!』
あ、シズちゃん固まった。
あの喧嘩人形が惚れ込んでるって噂には聞いてたけど本当だったとはね。
あーあーあんなに頬を紅潮させちゃってさぁ。わかりやすっ。
てか駄目だ、シズちゃんが顔赤らめてるとか気持ち悪い!駆け寄ってきたなまえちゃんが笑顔なのが嬉しいのはわかるけどない!その顔はない!!ヤバいヤバい吐き気がするなにこれ近寄りたくない!
『一緒に帰ろうって誘ってくれたのに、あっという間に教室から消えちゃったから随分探したんですよ?』
「……悪り。ちょっと、ムカつくのが目に入っちまって……」
『また喧嘩してたんですか?怪我とかしてませんか?』
「大丈夫だ。……心配すんな」
…え、何これ、俺ガン無視でイチャイチャし始めるって誰コイツ。折原臨也の存在発見即攻撃がシズちゃんの信条じゃなかったっけ。
それに、付き合ってないって話だったけどこれで付き合ってないとかあり得ない。実はシズちゃんって乙女?……いや実はどころじゃないよね確実そうだよねごめん。女の子に対して免疫も耐性もなさそうだもんね。
うわ、俺がシズちゃんに申し訳なさを感じてるとか!!
「ねえねえシズちゃん、俺ちょっと今君のせいで物凄く気分悪くなっちゃったんだけど。実は乙女で告白できないシズちゃんって何、ギャグ?」
「いぃざぁやぁくぅん?ちょぉぉっと黙れや手前!!」
「いやあ、さっきの君が気持ち悪すぎてちょっと無理かな。ねえなまえちゃん」
『は、はいっ!?』
俺が話しかけたのに目を白黒させちゃってる辺りが可愛いねえ。純朴少女って感じか。シズちゃんの好みってこんな子だったんだ。シズちゃんの好みなんて知りたくもなかったけど。
「はじめまして、折原臨也です。欲しい情報があったら俺を頼ってみるといいよ、例えばシズちゃんが好きなのは実は」
「黙れぇぇぇえええっ!!」
ああもう、いいところなのに邪魔しないで欲しいな…なんて軽口叩いてる場合じゃないな、本気で投げつけられたドアを避けるだけで精一杯だったよ今のは。
でも、本当にいい駒を見つけた。彼女を上手く操ればシズちゃんだって消せるかも。
「ふふ、いいねえシズちゃんが普通に焦ってるその感じ。決ーめた、その子は俺が貰っちゃおう!!」
楽しみだなあ楽しみだなあ!シズちゃんが普通の人間みたいになるところが見れるかもなんて!!
今だって俺の言葉にあれだけ焦ってる!本当に彼女が危機的状況に陥って、助けられなかったときどうなるんだろうね?
そうだなあ、ありがちだけど不良グループに襲わせてみる?両親の不倫とかネタを探して家庭環境を不幸のどん底に突き落としてみるのもいいなぁ!
「結婚してくれ!!」
もしくはって……え?今なんか聞こえた気がしたけど何?何かシズちゃん大声で叫びませんでした?
あれ、もしかして俺が貰っちゃうとか言ったの真に受けて焦っちゃった感じだったり?もしかしなくてもそう?
いやいやいやそれでも普通最初は付き合ってくれとかでしょ。いきなり結婚してくれって。
「まだ学生だし変に力強いし馬鹿だし到底まともとは言えねぇけど…好きなんだ、だから結婚してほしい」
『は…はい!!』
大 真 面 目 ! ?
今時あり得ない感じのクソ真面目な告白だね!?真面目なのに内容バカっぽいし!!
しかもなまえちゃんそこで頷いちゃうってどうなの!?
頬を染めて手を繋ぎ、去って行く二人って…え、何この脱力感。馬鹿馬鹿し過ぎて動く気も起きないんだけど。
前言撤回。シズちゃんに対して行動に楽しみを見出すなんて無理だった。ないない。そうだよ俺はシズちゃんが嫌な方向にばっかり予想を裏切るからシズちゃんのことが大っ嫌いなんだった。
……そんなことを考えて、俺は今校門を出るところのあのバカップルを目に入れないようにした。
過程なんか要らない
(いや、省きすぎにも程があるでしょ!?)
─────
何 だ コ レ!?
明らか宇良の脳が沸いてるっていう証明なんだろうか、それにしてもこれは酷い…orz
静雄に結婚してくれと言わせたかっただ(ry
>
[Back]