DRRR!! | ナノ










※臨也ぶっ壊れ。







「おっかえりー!ご飯にする?お風呂にする?それとも…お・れ?」



パタン、とドアを閉じて今しがた向こう側で繰り広げられたものを頭痛と共に頭から追い出そうとした。



『うん、疲れてるんだね私。きっとそうだ。まさかまさか…ねえ?』



必死で先ほど見慣れた自分の家の玄関を背景にしたあり得ない光景を記憶から抹消しようと強く念じる。
幻覚と幻聴に違いないのだ。
…あの臨也が、語尾にハートマークを付ける勢いであんなことを口にするなんて。
普段の言動からもやりそう?馬鹿を言っちゃいけない。いくらあいつだって羞恥心は棄ててないだろうし二次元を現実に持ち込もうとするタイプでもなかった…はず。



『いやいやいやはずじゃないよ違う違う普段から言動トチ狂ってるけどあそこまでおかしくないよだってさっきの幻覚エプロンの下なんか着てたか?着てないよな?うんあり得ないあり得ないそんな幻覚を見た私が痴女?はははいいよいいよあれが現実になったら死にたくなるだけだから』



「へー、なまえって痴女だったんだぁ」



『ひっぎゃぁぁああっ!?』




いつの間にか再び開かれていた扉の向こうからかけられた声に思わず顔を上げた瞬間、反射的に悲鳴を上げていた。
真っ白になった頭で何か言おうとしても陸に打ち上げられた魚のように口は開閉するだけだ。



「………い、いざ、臨也、あんた、それ…」



やっと絞り出した声も明白な意味をなさない。…致し方ないだろう。臨也の服装が服装なのが悪いのだ。私は何も悪くない。だからもういっそ全てが夢であってほしい。きっと仕事で疲れきって会社のデスクで寝ちゃってるんだあはははは。



「ああこれ?裸エプロンで夫の帰りを待つってのやってみたかったんだけど流石に寒かったからタンクトップと短パンは着てるよ」



『流石に寒かったって試したの!?試したのかお前ぇぇえ!?寒いって気候が理由で止めたんじゃないよね?ちゃんとギャグでもやっちゃ駄目ってわかってて止めたんだよね?え、そんなわけないじゃんみたいな顔止めてぇぇえええっ!!』



死にたい。壮絶に死にたい。いや寧ろ目の前で笑ってる男を殺したい。ねえなんなのこいつ。なんでそんなに楽しそうで嬉しそうなの。疲れきって帰ってきた恋人をそっとしておく気遣いとかないの。




「やだなあ、労ってあげようと思って君のご期待に応えたのに」



『そんな期待してないし労りになってないよ人の心読むとかサトリの妖怪か人外だよなだからもう新宿帰れお前』



「あはははは!なまえが読みやすい顔してるんだよまあとにかく入りなよ。何時まで玄関前で突っ立ってるつもり?」



…最早お前のせいだ!!と叫ぶ気力もない。
肩を落としながら臨也に背を押されて家に入る。すると、ふと美味しそうな匂いが鼻に届いた。
その元を辿ってリビングを覗き込めば温かそうなご飯と数々のおかず。



『…え、これ』



「労ってあげようと思ったっていうのは本当だよ。最近仕事忙しかったんでしょ。だからご飯用意しといてあげようと思ってさ。あ、お風呂の用意もできてるよ」



『あ…あり、がと』



嬉しい。余計なオプションで付随してきた疲れも吹き飛ぶくらい嬉しい。
今までの言動が言動だった為に感慨もひとしおだ。こいつにも人間らしい思いやりが存在したんだなと何か胸が熱くなった。



「でもやっぱり最初に俺にしない?なまえの顔見てたら俺が食べたくなっちゃった」



『さっきの感動を返せぇぇええっ!!』










まるで新妻
こんな新妻いてたまるかぁっ!!











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m(__)m
本当にすいませんごめんなさい出来心だったんです…orz

こんな臨也嫌だ第一弾(続かない)




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