彼女に突然抱きつかれたら…?

【三井】
「突然来られるとびっくりするだろ」溜息をつきながら引き剥がしてきた三井をじっと見たら「なんだよ?」と眉をひそませた三井に睨まれる。「突然じゃなかったらいいんだ?」「はぁ?そういうことじゃねーよ」声が大きくなった三井はそのままシュート練習を始めたから唇を尖らせながら見ていたら、少しして不意にシュート練習をやめた三井がこちらに向かって歩いてくる。「え、なに」「……」聞いても何も答えてくれない三井は無言のままで目の前まで来ると、ガシッと片手で抱き寄せてきて「な?突然は困るだろ」と離してくれないけど、かろうじて横目で見える三井の耳が赤い。

【木暮】
「わぁ!どうした!?」バッと勢いよく見てきた木暮に、驚いてたねと笑うと「それはお前のせいだろ」と眉を下げる。「それで何かあったのか?」首を傾げる木暮に、別に何もないよと答えると「…だったら突然抱きつくのはやめてくれ。オレの心の準備が出来ないからな」と木暮は頬を掻く。「それじゃあこれから抱きつきますって言うよ」「…いや、待った。それはそれで緊張するな…」こちらに手のひらを向けるともう片方の手で頭を抱えた木暮は少し悩んだ後に「やっぱり突然の方がいいかもしれない」と頷きながら言ったから、また後日、突然抱きついてみたらやっぱり木暮は驚いてる。

【宮城】
「もーだから突然はやめろって言ってるだろ」唇を尖らせながら腰に抱きつく彼女に視線をやった宮城は両手でわしゃわしゃと髪を撫でてくる。「…髪ぐしゃぐしゃになるじゃん」「それでもなまえちゃんは可愛いから大丈夫だよ」顔を上げれば、自分で言っておきながら頬を染めて照れる宮城と目が合ったから、リョータ照れてるってふふっと笑うと「しょうがないだろ。びっくりしたんだから」と再び唇を尖らせてる。「それで照れたの?」「そうだけど」「へー」ニコニコしてたら顔が赤くなった宮城がムッとした様子で「嘘だよ。本当は、その…、可愛い……って言ったからだよ」と言ったけど、早口だし“可愛い”だけがものすごく声が小さい。

【桜木】
「…あ、あのー、なまえさん…!?どうしました…?」恐る恐る彼女に視線を向けた桜木は動くことも出来ずに手だけをバタつかせる。どうしたの?と顔を上げると目が合った桜木は真っ赤で「な、何してんすか」と腰が引けてる。「充電してる」「充電すか、なるほど」おーっと感心した様子でぽんと手を叩く桜木は手を伸ばしかけては引っ込めるから、何してるのと聞けば「…それってオレも充電していいのか?」と頬を掻く。「もちろん」「じゃ、じゃあ失礼して」ゆっくり腕を回してきた桜木は触れるか触れないかくらいの力加減だから、充電出来てる?と聞いたのに「充分過ぎるくらいに」と満足気に頷く。

【流川】
「雷、だろ」ふっと笑うと頭をぽんぽんしてきた流川に、そうじゃないと言ったのに「無理するな」とやっぱり頭をぽんぽんされるだけ。だから流川の手を引いて、ほら外晴れてる!と窓の外を見せたら「知ってる。それでも雷が鳴ってるんだろ」と流川は頷く。じゃあそういうことでと拗ねつつ再び流川に抱きつけば「…すまん。からかいすぎた」と流川はバツが悪そうに横を向く。そんな流川を見上げて、「雷鳴ってたらいいんでしょ」「まあ、それなら仕方ないからな」「…じゃあ鳴ってる」と抱きしめる力を強めたら「…でも今は鳴ってねーよ、どあほう」外を見た流川が頬を掻きながらぽつりと呟く。

【水戸】
「おー、どうしたどうした」ハハっと笑うと背中をぽんぽんしてきた水戸に顔を埋めると「…本当にどうした?」と心配そうに覗き込まれる。「…洋平が甘やかしてくる」「甘えたいのかと思ってさ。違った?」眉を下げて笑う水戸に、なんでわかったのと聞いたら「んー、オレが甘やかしたかったから。なまえちゃんは甘えたくなってねーかなと思ってさ」と首を傾げる。そんな水戸の頭を撫でたくなって手を伸ばせば屈んでくれた水戸が「これは突然何?」と困ったように笑うけど「洋平のことも甘やかしたくなった」「ハハ、なんだそれ」じゃあやっぱりこうすりゃいいじゃんってぎゅっと抱きしめられる。


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