クリスマスだけど仕事がある彼女

【亮介】
[終わったら連絡ちょうだい]と言われていたから、終わったよと連絡したら[了解。ちょっとそこにいて]と返事が来て少ししてから近くのカフェで時間を潰していたらしい亮介がやって来る。「お疲れ。残業?クリスマスなのに」にっこり笑う亮介に、そうなんだよ〜と愚痴れば「それはツイてないね」とケラケラ笑う。「他人事みたい」「だって他人事だし」そう言いながら歩き出した亮介に「そんなキミが1人でクリスマスを過ごすのは流石にどうかと思ったから迎えに来たよ」と手を引かれて一緒に帰る。

【伊佐敷】
「…おー、お疲れ」家に帰ると玄関先で伊佐敷が座っていて、どうやら帰宅を待っていたらしい。「連絡来れたら良かったのに」「仕事の邪魔したらわりぃだろ」鼻を啜ってる伊佐敷を家の中に招くとすぐに寛いで漫画を読み始めてる。「漫画読みたくて待ってたの?」「…いや、 そうじゃねぇけど」歯切れが悪い伊佐敷を見ていたら頭をガシガシ掻いて、はぁーっと息を吐いてから「これやる」とプレゼントらしい包みを取り出す。「このためにわざわざ来てくれたの?」「そりゃクリスマスかそうじゃないかは全然違うからな」声が大きくなった伊佐敷は照れくさそうに漫画に視線を戻す。

【倉持】
[イルミネーションだけでも観に行こうぜ]倉持に誘われてお互い仕事着のままライトアップされてる所へ行ったら人でごった返してるから「迷子にならねぇように」ん、って眉間に皺を寄せると頬を染めた倉持が手を繋いでくれる。一緒にイルミネーションを観てたら倉持が「…月が綺麗だな」とふと呟くから、月?イルミネーションじゃなくて?何のことか分からず聞くと倉持の顔がどんどん赤くなっていって「あぁ?イルミネーションだよ」と睨まれる。それで意味を理解して、月が綺麗ですねと笑うと「…そうだな」と顔をしかめた倉持が繋いでいる手にきゅっと力を込める。

【沢村】
「お疲れっした!!」家に入ると玄関で仁王立ちしている沢村は「ささ、どうぞ遠慮せずに」と両手を広げるから荷物を渡してみる。「他にもいいぜ」ニコニコしている沢村に「じゃあ上着」「他にも」「マフラー」「他にも!」ってやり取りを何度か繰り返ししたら「アンタさっきからわざとだろ!?」と眉をつりあげると声が大きくなった沢村が「クリスマスプレゼントにこの沢村栄純が抱きしめて……ってそれだと俺へのプレゼントになるか…?」と首を傾げる。そんなことないよと抱きつくと「それなら良かった」ふっとはにかんだ沢村がぎゅーっと抱きしめ返す。

【奥村】
会社から出ると奥村がいるから、なんでいるのと聞いたら「会いたくなったから来た」と奥村は照れもせず答える。だけどその答えにこちらが照れると「…そんな反応されると困るだろ」はぁって溜息をついた奥村が次の瞬間には「お疲れ様。何か美味いものでも買って帰ろう」と表情を緩める。一緒にスーパーに行って割引シールされたお惣菜を買うか迷っていたら「それは買わないのか?」と声を掛けてきた奥村がもう既に割引のお惣菜をカゴに入れてある。「クリスマスなのに割引でいいのかなって」「…なまえと食べたらなんだって美味いからいいんじゃないか」今更照れて横を向く。

【成宮】
仕事終わった!と連絡したらすぐに成宮から[おつかれ]と返ってくる。[めい何してるの][別に何も][ご飯食べた?][まだこれから]相変わらず返信がすぐに来るからいっその事電話をしたら『…なに?』と呟く。「一緒にご飯食べに行きたい」『いいけど。もうどこもいっぱいだろ』「ハンバーガーとか回るお寿司とかなんだっていいよ」『そりゃ俺だっていいけどさ』って言ってたのに僅かな時間でレストランを予約してくれたらしい成宮は「だってせっかくのクリスマスなんだから彼氏らしいところ見せたいじゃん」舌を出して自慢げ。

【御幸】
「何時に終わるんだ?いつも通りか?」事前にそう聞かれたから仕事終わりに誘ってくれるのかと思っていたのに御幸からの連絡は一切ない。だからこちらから連絡すると『…ちょうど良かった。お前この後空いてる?』と心做しか御幸が電話の向こうで安堵してる。空いてると言ったら『俺んち来れねぇ?迎え行くから』って御幸の最寄り駅に着いた時には「おー、お疲れ」って既に御幸が待ってるし「腹は減ってるか?」と言いながら鞄を持ってくれる。そんなこんなで並んで歩きながら御幸の家に着くと「お前は座ってりゃいいから」と座らされて、御幸は机の上に料理を次々と並べていく。2人分にしてもやけに多い料理に、こんなにどうしたの?と聞けば「…いやー、お前のこと考えてたら作りすぎちゃって。もう冷蔵庫すっからかんなんだけど」と御幸が眉をひそめる。「その割には誘ってくれなかったね?」「お前の仕事が終わるまでまだ時間あるなとか考えちまうから集中して作ってたんだよ」顔をしかめると唇を尖らせて呟いた御幸が「それにどうせなら喜んでほしいだろ、お前に」はぁーっと溜息をつくけど顔が赤い。


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