クリスマスなのに予定があったら…?

【三井】
クリスマス当日中に会うのは諦めて電話で話していたら、たまに電話をする時よりも三井の口数が少ない。返答にも間があるし、ついには何も言わなくなったから寝たのかと思い、会いたかったなーおやすみと電話を切ろうとしたら『…お前そういうことは早く言えよな!』電話口ではぁーっと溜息を吐いた三井がすぐに家までやって来る。「来なくても良かったのに」「オレが会いたくなっただけだからいいんだよ」眉をひそませて頭をガシガシと撫でてくる三井に、もう寝たのかと思ってたと言えば「はぁ?寝てねーぞ。お前の声に聞き入ってただけだよ」と答えた三井がハッとして「…いやなんでもねー」と慌てて横を向いて口を押さえるけど耳は赤いし、もう遅い。

【木暮】
『プレゼントはまた後日渡すよ』木暮から電話が掛かってきたから、私もそうするねと答えたのに木暮は『まあ出来たら今日のうちに会いたかったけどな』と続ける。「木暮くんがそんなこと言っうの珍しいね」『そうか?』「そうだよ」『…あー、それは電話だからかもな』ハハっと笑う木暮に、どういうこと?と聞けば『電話だと顔が見えない分、緊張しないんだろうな。あ、でも思ってるのは本当だぜ?』とそこまで順調に言ったのに『…って、何言ってんだろうな』と呟く声と窓を開ける音がする。「窓開けて寒くないの?」『いいんだよ。今、あついから』困ったように眉を下げて笑ってるのかなとは思うけど表情が見えないのは勿体ないとも改めて思う。

【宮城】
用事が終わったという宮城と待ち合わせをすると「なまえちゃん会いたかった〜」とまるで泣いているかのように顔を歪ませながら、両手を広げ走ってきた宮城に抱きつかれる。「その反応は大袈裟じゃない?」「…だってもう今日は会えねーかと思ったからさ」唇を尖らせる宮城の背中をぽんぽん叩くと「なまえちゃんは会えなくても平気だったの?」とぽつりと宮城が呟く。「用事があるなら仕方ないかなって」「まあそりゃそうだけど」「リョータってそういう所あるよね」「どういう所だよ」顔をしかめた宮城はこちらに視線をやると触れるだけのキスをする。「…人前なのに」「クリスマスなんだから誰も気にしてねーよ。つーかギュッてしてんだし今更だろ」宮城は顔が真っ赤。

【桜木】
用事が終わると、用もないのに彼女の家まで来てしまった桜木は、連絡も出来ずに家の外でウロウロするから彼女に見つかる。「桜木くん来たなら連絡くれたらいいのに」「…おぉ!なまえさん!」パァっと表情が明るくなった桜木とそのまま家の外で話すことに。「…あ!ちょっと待ってて」「ぬ?」首を傾げる桜木を待たせて家の中までプレゼントを取りに行き渡すと「え?これオレに」両手で大事そうに受け取って満面の笑みの桜木。だけどすぐに、あっ…と口を開けると「オレまだプレゼント用意してねー」と固まる。「今日来てくれたことがプレゼントだよ」「そ、そうすか?」表情が戻るけど「いやでもオレが何かやりてーから。今度何か送ります」はにかみながら頬を掻く。

【流川】
用事が終わっただろう頃を見計らい、流川の家に行ったら少ししてから流川が帰ってくる。「…あ、おかえり!」「お前こんな所で何してるんだ」驚いて固まってる流川に、会いたかったからと笑うと「…鼻、赤くなってるぞ」と表情が緩んだ流川が微笑む。「今日何の日か知ってる?」「…あぁ、クリスマス」頷くと手を叩いた流川が「これやる」と持っていた袋を差し出してきたから受け取って中身を見るとコンビニのチキンが入ってる。「流川くんが自分で食べるために買ったんじゃないの?」「そうだけどやる。クリスマスだからな」じっと見てくる流川の視線が照れくさくて半分ずつ分けることにしたけど「それで足りるのか?」流川は心配なのか眉間に皺を寄せてやっぱり見てくる。

【水戸】
「今ってちょっとだけ時間大丈夫?」用事終わりに家に寄ってくれた水戸とチャイム越しに会話をしたから家族に見つかる。大丈夫だよと答えて外に出ると「夜遅くにごめんな。どうしても今日渡しときたくてさ」と水戸が困ったように笑ってる。「親が中に入ってもらえって言ってるけど」「いや、すぐに終わるから今日は遠慮しておくよ」ふっと笑った水戸は「はい、これ。クリスマスプレゼント」と手のひらに乗せると「それだけ。わざわざ出てきてくれてありがとうね」と頭をぽんぽんすると帰っていく。だけどすぐにピタッと立ち止まって「…あ、また近々来るから親御さんにはよろしく言っといてもらっていい?今はまだ心の準備が出来てないから」と眉をひそめる。



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