好きな子に突然抱きつかれたら…?

【三井】
「な、なんだよ!?突然!」こちらの腕の中からすぐに抜け出すと離れて距離を取った三井が顔を真っ赤にさせながら声を上げる。「…特に意味はないけど」「意味がないなら突然抱きつくのはやめてくれ」はぁーっと大きく息を吐いた三井が「…心臓にわりぃ」と小さく呟いたのが聞こえたから、どういうこと?と聞いたのに「別に何も言ってねーよ」三井は頭をガシガシ掻いてシュート練を始めてこちらに振り向いてもくれない。だけど耳は赤いし、シュートは外してる。

【木暮】
「何かあったのか?どうした!?」腕以外を動かせずに驚いている木暮は心配そうに後頭部を見る。「前を見てなくて…」「何やってるんだ。気をつけろよ」眉を下げて笑う木暮は「…あ、鼻。赤くなってるぞ」自分の鼻をトントンしながら屈むと顔を覗き込んでくる。そしてそのまま手を伸ばして触れようとするけど寸前の所でハッとして「ぶつかった相手がオレで良かったよ。本当に気をつけてくれよ?」スッと立ち上がると「…それから、そろそろ離してくれるとありがたいんだけどな」赤くなった頬を掻きながら恥ずかしそうに笑う。

【宮城】
「あー、びっくりした。なんだよ?」ふぅっと息を吐くとハハッと笑った宮城が笑いながら顔を覗き込む。だけど女の子が泣いているとギョッとして一度視線を逸らしたけど、すぐに何も言わずに恐る恐る抱きしめ返してくれる。少しして、急にごめんねと離れたら「いやまあそれは別にいいんだけど」と頭をポリポリと掻く宮城は「…こういう時にオレの所に来てくれるってことはさ、オレ期待しちゃうよ?」頬を染めながら唇を尖らせるとじっと見てくる。

【桜木】
「どどどどうしました!?」勢い余って尻もちをついた桜木は手をバタつかせながらやり場に困ってる。「今、虫が来て!」「虫?」女の子が指さした方に視線をやった桜木は「ハッハッハ。それならオレに任せてください!」自信満々に立ち上がろうとするけど抱きつかれているからその場から全く動けない。「でもその前に離れて…いややっぱりこのままで。いやでも…」桜木が悩んでる間に勝手にどこかへ行った虫を目で見送ると「…ほら、もう大丈夫だぜ。どっか行ったからさ」ぎこちないながらも背中をゆっくりとぽんぽん叩く。

【流川】
抱きつかれたまま全く動かない流川は「…どうした」と口を開く。「雷!」「…雷?」目を細めると首を傾げて窓の外を見上げた流川が「怖いのか?」と再びこちらに視線を落とす。驚いただけと答えた割に抱きしめる力は強まったからなのか、「そうか」と返事をした流川の表情が緩む。すると流川が首から掛けていたタオルを頭に被せられたから、何これ?と聞けば「その方がマシだろ」と流川は端的に答えて、その場に抱きつかれたまま座るけど「…雷怖いのか」と呟いてるのが聞こえるからどうやらタオルの意味はないらしい。

【水戸】
両手を上げると動きが止まった水戸は「…えっと、なまえちゃん?どうした?」と目を丸くさせながら顔を覗き込む。ごめん躓いた!と慌てて離れると「なんだ残念」と水戸が眉を下げて困ったように笑うからじっと見てしまったら「…なんてね。怪我してない?」と再び両手を上げる。「お陰様で」「それならよかった」ふっと口角を上げた水戸が「ちゃんと前見て歩きなよ」と言いながら手をヒラヒラさせて去っていくから、背中に向かってお礼を言うと「別にお礼を言われるようなことじゃねぇよ」振り向いた水戸は心做しか頬が赤い。



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