彼女が泣いていたら…?A

【安田】
「嫌だったらごめん」困ったように笑う安田はカバンからタオルを取り出し涙を拭いてくれる。安田をじっと見ていたら「…もしかして汗臭い?」とタオルを嗅いでいて「…臭くないよ」「そっか」「ヤスくんの匂い」「うん」なんでもない話をずっと聞いてくれるし、泣いてる理由は「話したくないこともあるだろ」ふふっと笑って聞いて来ない。

【桜木】
「だ、大丈夫すか!?」オロオロしながら顔を覗き込んできた桜木に大丈夫だよと無理やり笑ってもやっぱり涙は零れてくる。すると桜木は屈んで同じ目線になると「そりゃ笑顔のなまえさんが一番だけどムリは良くねー、ゼッタイに」自分で頷いて笑うと「…だから、オレの前でくらいは泣いていいんすよ」ぎこちないながらも頭を撫でる。

【桑田】
「そういえば桜木くんが」「流川くんがさ」顔を背けて話す桑田に慰めてくれないのと聞くと「…そこに触れられるの嫌なのかと思った」と横目で見てきて眉を下げる。「嫌じゃない」「…じゃあ触っていい?」こちらに振り向いた桑田が眉をひそめているから頷くと「なまえに泣かれたらオレどうしていいか分からないかも」手の甲で慎重に涙を拭う。

【仙道】
「何かあったのか?」首を傾げた仙道はこちらの目の前に屈み込むと手の甲で涙を拭う。「何もない」「…そっか」ふっと微笑んだ仙道は座ったまま頭を抱きしめてくるから「本当に何もないよ」「分かってる。オレが抱きしめたくなっただけだ」ハハッて笑うだけだし、泣き止んだら離してくれるけど「…足痺れたみたい」と眉をひそめて笑う。

【越野】
「何泣いてんだよ…!?」目を丸くした越野は溜息をつくと「…お前は頑張りすぎなんだよ」と正面からおずおずと抱きしめる。「そんなことない」「そんなことあんだよ」「頑張るのは普通だし」「それが普通なのがすごいんだろ!」声が大きくなった越野が顔を上げるから目が合うと「…だからもっと自信持て」抱きしめてない方の手で頭を小突かれる。

【福田】
一緒にいるだけで何も言ってこない福田になんで何も言わないのと聞くと「どうしていいか分からないからだ」と眉間に皺を寄せる。「だったら慰めてほしい」「慰める…?」じっと目を細めて見てくる福田がぎこちないながらも頭を撫でてくれたからお礼を言うと「オレの方がセンパイだから気にするな」ふっと口元が緩むけど目が合うと顔が赤い。

【牧】
「よく頑張ったな」ふっと表情を緩めた牧が頭を撫でてくるから更に泣いてしまうと「大丈夫だ。オレがいる」と眉を下げて笑う。「牧くんって優しいよね」「好きな女には優しくするものだろ?」不思議そうに見てくる牧は「そんなことよりもお前がオレの知らない所で泣いてなくて良かった」そのまま胸に抱き寄せられて背中をぽんぽんされる。

【神】
後ろから抱きつくと「大丈夫?」と心配そうな声がしたから神の背中に顔を埋めたまま首を降ると半回転してこちらを向いた神が「オレしかいないから好きなだけ泣いていいんだよ」と背中に手を添える。泣きじゃくった後には「次からは無理する前にオレに話してくれると嬉しいんだけどな」と困ったように笑いながらタオルで優しく涙を拭う。

【清田】
キョロキョロしながら頭を掻くと「…どうしたんだよ?」と眉間に皺を寄せた清田がドカッと隣に座る。「なんでもない」「なんでもなくねーだろ」息を吐いた清田は両手で頬を包んでくると「…お前にそういう顔されると気になんだよ」とじっと見てくるから更に泣いてしまうと「わ、悪い。痛かったか?」眉を下げてアタフタしながら覗き込む。


[ 30/93 ]

[*前] | [次#]

[目次]

[しおりを挟む]
[top]



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -