*今日のラッキーアイテムは、 (黒バス/緑間真太郎)

「男を見せる時だぜ。真ちゃん!」
「うるさい。お前に言われなくとも分かっているのだよ、高尾」

休み時間、緑間の背中を押す高尾と、高尾に文句を言う緑間。笑いながらと、怒りながら。対称的な様子で近付いてきた2人は目の前までやって来ると、ほら真ちゃんと高尾に肘でつつかれたのを合図に緑間が口を開く。

「……放課後、ラッキーアイテムを買いに行くから暇だったらついてきてくれ。ちなみに俺の今日の部活は休みだ」

少し視線を逸らした緑間の手には今日のラッキーアイテムらしきクマの人形。しかし視線を感じたのか、あ!これは俺のラッキーアイテム。なんでか真ちゃんが持ってるんだぜ〜と間に入ってきた高尾が笑うと、緑間もそういうことだからよろしく頼むと眼鏡を上げた。


**


「行きつけの店があるのだよ」

そう言って前を歩く緑間についていき、辿り着いたのはお花屋さん。当たり前だが、種類も色も様々な花がある。

辺りを見回した緑間はお目当ての花を見つけたらしく、何やら店員さんと話をしている。しばらくすると綺麗にラッピングを施された花束が店員さんから緑間へと手渡され、そして店外へと出るなりそれを緑間から手渡される。

「誕生日おめでとうなのだよ」

白とピンクの小さな花と、それから色々とりどりの他の花の花束。

目の前に差し出されたから素直にお礼を言って受け取ってしまったものの緑間のラッキーアイテムじゃなかったのかと今更思い出し顔を上げたら、耳を赤く染めた緑間がそれはお前にあげるのだよと横を向く。

「……お前の今日のラッキーアイテムは“花束”だからな。誕生日にはもってこいだろう」

どんどんと顔が赤く染まっていく緑間に嬉しくて抱きつけば、驚いたのか一瞬動きが止まった緑間がふっと笑って呟く。


「その小さい花の雪柳は、……まあ、今はまだいいか。ラッキーアイテムもあることだしな、お前の誕生日は絶対にいい日になるのだよ」



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