「野ばらさん、次あれ行きませんか?」
「行きましょ!」

姉さんと友達の名前は馬が合うらしく私と反ノ塚さんそっちのけで遊んでいる。ちなみに反ノ塚さんはというとボーっと二人を眺めながら焼きそばを食べている最中で、ここには姉さんに無理矢理連れてこられたらしく遊ぶ気はないらしい。

「本当に遊ばなくていいんですか?」
「おー、だって暑いじゃん」
「それ言ったらもう何も言えないじゃないですか」
「っていうか、名前こそ遊んでこなくていいの?楽しみにしてたんだろ?」
「…暑いの苦手なんで」
「雪女だもんなぁ」

水着姿になりたくないだけ、なんて言えない。姉さんに比べたらまな板同然のこの胸を彼に見られるのはごめんだ。

「皆野ばら姐さんのこと見てるな」
「…まぁ、あのスタイルと顔ですからねー」
「見ちゃうよな、必然的に。…やっぱ野ばら姐さんより胸デカイ子はいないか」
「……まさか、胸大きい子を探しに来たんですか?」
「え、プールってそういう場所じゃないの?」
「…」
「冗談だって」

いや、絶対本気だっただろう…反ノ塚さんが巨乳好きなのは知ってるけど、今のはちょっと引いたわ…。

「…男の人って、やっぱり胸が大きい子の方が好きなんですか」
「んー、人それぞれだと思うけど嫌いって奴はいないだろうな」
「……反ノ塚さん、胸大きい人好きですもんね」
「おう、大好き」

…これで余計パーカー脱げなくなっちゃった。自分で聞いといてあれだけど、ちょっと後悔した。ああ、早く着替えたい…

「でもさ、せっかくここまで来て遊んで帰らないってのもなんか勿体ないよな」

焼きそばを食べ終わった反ノ塚さんが口を開く、泳ぐ気にでもなったのだろか…。

「泳ぐんならどうぞ、私ここで荷物見てますから」
「それじゃ楽しくないだろ?あ、そうだ」
「?」
「ここから少し歩いたところに遊園地あるじゃん?そこ行こうぜ」
「え、でも…」
「な?」
「…はい」
「よし、じゃあ着替えに行くか」

そう笑って反ノ塚さんは私の手を取った。ああ、握られた手が熱い。それはきっとこの強い日差しと彼の笑顔のせい。



「ちょっと、私の妹と遊園地デートしただなんていい度胸してるじゃない」
「すみません」



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