私には少し歳の離れた姉が居る。別にシスコンというわけではないけれど、姉は実の妹の私から見ても綺麗で優しくて…こんな人が彼女だったらなぁ、なんて思ってしまうような人で、結論を言ってしまえば勝ち組女というやつだ。

「この重力に負け気味の胸、メニアック…!」

…ちょっと残念なところもあるけど。まぁ、その部分は置いといてとにかく姉は私の理想の女性像なのだ。そんな姉の隣でファッション雑誌を捲ると「美人姉妹」なんて言葉と似たような雰囲気の女性二人が目に飛び込んできた。片一方が美人だとやっぱりもう一人も美人ですねなんて記者のコメントが書いてあるけど…世の中そんな姉妹ばっかりじゃないんだぞと突っ込みたくなった。

「…」

ちらりと横目で姉さんを見れば一番に豊満な胸が目に入る。…どうやったらあんなに大きくなるんだろう。姉さんの胸を見た後に自分の胸を見るとまな板にしか見えなくて泣きたくなった。私も一応人並み程度にはあるはずなんだけどな…。

「はぁ……」
「名前ちゃん?どうしたの、溜息なんか吐いて」

悩み事があるならお姉ちゃんに相談して?なんて姉さんは視線を雑誌から私へと移した。…開いてるページがちょっとアレなのはもうスルーしよう。

「姉さん、」
「なに?」
「…なんで姉さんはそんなに、」

胸が大きいんですか、そう聞き終わる前にラウンジのドアが開いてコンビニの袋をぶら下げた反ノ塚さんが入って来た。

「おー、雪小路姉妹じゃん」
「ちょっと、邪魔しないでくれる?今私は名前とイチャイチャして幸せな時間を過ごしてるんだから」
「いや、その割には二人とも雑誌広げてるよね」

そう言って反ノ塚さんは向かいの椅子に座ってコンビニの袋からアイスを取り出した。

「食うか?」
「…いただきます」
「私の分は?」
「ちゃんと野ばら姐さんのも買ってきてるって。ほい、これ」
「ありがと。…で、なんて言おうとしたの?」
「……やっぱりなんでもない」

だって、男の…それも反ノ塚さんの前で「どうしてそんなに胸が大きいんですか」「どうやったら大きくなるんですか」なんて聞けるわけないじゃないか。私も反ノ塚さんも高校生なんだぞ、男と女なんだぞ、人前でそんな話出来るわけ、

「おっ、この女の人胸でかくね?」
「アンタの目は節穴なの?これは寄せて盛ってるだけで、実際はそんなに大きくないわよ」
「え、そうなの?」
「………。」




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