「……可笑しいなぁ…」

熱も下がった、傷も完治した、体の調子は確実に良くなっているのにどういうわけか最近はまるで頭に靄がかかったようにボーっとしている日が続いていて、正直すっきりしない。…ただの寝不足かもしれないけど。でも、こうも頭の中がもやもやしているとすっきりしないを通り越して気持ちが悪い。

「……名前ちゃん、どうかした……?」
「…え?」
「凄く、怖い顔…してたから…」

眉間に皺寄ってる、とカルタちゃんが自分の眉間を指差した。…どうやら自分でも気づかない内に眉を寄せていたらしい。

「…ごめんね、ちょっと考え事してただけだから」
「……本当に…?どこか、痛いところとかない…?」
「本当。風邪も治ったし、寧ろ調子よすぎて元気が有り余ってるくらいだよ」

そう言ってピースサインを作れば安心したように頬を緩めてコンビニの袋から肉まんを取り出した。

「…良かった。御狐神、心配してたから…」
「双熾が?」
「うん…最近、元気がないって…」

それを聞いて気付かない内に彼に心配をかけていたんだなと少し申し訳ない気持ちになった。…そういえば最近は学校が忙しくてほとんど会話らしい会話も出来てない気がする。…よし、この前看病してくれたお礼も兼ねてご飯に誘おう!

「名前ちゃん…?」
「私、ちょっと買い物行ってくる!」

まだ手を付けていないプリンをカルタちゃんにあげて財布を手に席を立つ、ラウンジを出た所に丁度反ノ塚君が居たから双熾に会ったら夜私の部屋に来るよう伝言を頼んで妖館を後にした。

(今日は寒いからお鍋にしよう。)





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