畳んだ布団に背を預けてボーっと天井を眺める。ああ、こんなにゆっくり出来るのはいつ振りだろう…襖の隙間から差し込む朝日が綺麗だ、賑やかなのも嫌いではないけど心を落ち着かせてくれるこの静けさも嫌いじゃない。そんなことを思っているとドタドタと足音がしてその次の瞬間には襖が勢いよく開けられた。

「名前、俺と戦え!」
「……」

朝から元気な人だなぁ、と静けさをぶち壊してくれた彼に目をやればきらきらと目を輝かせながら鎖鎌を構えている。…本当に戦うのが好きなんだろうな、この人。

「私は仕事以外で戦ったりしませんし仕事のない日はしっかり体を休ませると決めているんです、なのでお断りします」
「なんでだよ!ちょっとくらいいいじゃねーか!」
「嫌なものは嫌です」

お引取下さい、そう言ってごろんと寝返りを打って背を向ける。もう一眠りくらいしても罰は当たらないだろう、だって今日は久しぶりの休みなんだもの。さぁ、寝よう。

「…何するんですか」

ビュンッ!と風を切る音がしたと思えば私の顔のすぐ横に鎌が突き刺さっていた。ああ、布団が…力任せに引っこ抜かれたせいで破れた所から綿が出てきてしまった

「俺と戦えって、言ってんだろーが…!!!」
「だから、戦わないって言ってるじゃないです、かっ!」

鎖から逃げながらそう言い返せば鎌之介さんは眉間に皺を寄せて鎖を握っている手に力を込めた。…あ、これやばいかも。私の嫌な予感は的中、彼はこの狭い部屋の中で風を起こそうとしたのだ。このままじゃ部屋がめちゃくちゃになってしまう、急いで外に飛び出して屋根へと避難した。

「ってめー!名前!逃げんじゃねーっ!!!」




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