『ガガッ…ピー…あーあー…マイクのテスト中…』 謙也さんは放送委員でお昼担当が多い。早食いで、話し上手だから確かに彼が担当するのも頷ける。 だが、俺は謙也さんがお昼担当だと一緒に昼食を食べれないので頂けない。 だが、俺は彼の声を只聴くのも好きなので彼がお昼担当の時、静かで、尚且つ放送独り占めの空き教室で昼食を食べるコトにしている。 『ほないこか!今日のお昼担当は<浪速のスピードスター>こと忍足謙也やで!!どうぞよろしゅう!!』 ……ガガッ… 『何やて?!ダサイってどーゆうこっちゃ!!……なに?そのまんまの意味、て…ちょ、お前表出ろや!!!』 他にいる放送委員と喋っているのだろう。とても楽しそうだ。 「謙也さん、マジ騒がしいッスわ…」 ボソッと悪態をつき卵焼きを口に入れる。 うん、いつものコトながら甘くて美味い。 『え?呼び出し…?今昼の放送中やねんで!全く何考えてんねん…あー、一回切るで』 ブツッ ピンポンパンポーン♪ 『えーっ、1年7組の山田さん…え?7組には山田が二人おる?山田…山田なんやコレ?とぶ…とり…?あー、もう!!仕切直しや!』 ブツッ ピンポンパンポーン♪ 『1年7組山田………えと、花子さんじゃない方!!山田先生がお呼び…え?山田先生も二人おるん?!何でこんな山田が…!!!』 ガガッピー…! ガタガタッ ブツッ ……また切れよった。 ピンポンパンポーン♪ 『何か浪速のスピードスターこと謙也くんが読めないらしいんで代理にテニス部部長、テニスの聖書こと白石蔵ノ介が言うで。1年7組山田飛鳥さん。担任の山田太郎先生が読んではります。至急職員室までお願いしますわ。…………ふ、さすが俺やな…呼び出し方までエクスタ』 ガンッ!! ガタガタガタガッ ガシャ、ガシャン! ピー…!!! ギャーギャー… ブツッ!! ……何で部長が放送室におんねん。つか謙也さんの声が聞きたいんやけど 『はい、ほな放送代わりましたスピードスターや!!それじゃお昼の放送始めますっちゅー話や!!今回は毎週水曜日にされる新しいコーナーについて−−−…!!』 ガターーンッ! ガタガタッ ブツリ… ……………………。 『水曜日の新コーナーは<告白したもん勝ち!!>っていうコーナーや!!心に秘めてるコトを叫ぶらしいで!!例えば……まあ、愛の告白は当然やな。あとは…せやな。謙也!!ずっと言えなかったんやけど…朝から社会の窓空いたままやで!!!!!』 ガッシャーン! ……何で部長放送占拠しとんねん。マジいい加減にして欲しいわ。 『とまあ、こんな感じやで!!募集は3年2組忍足くんに!紙に書いて忍足くんに放送して貰うもよし、放送器具を借りて全校に叫ぶのもアリや!!それから謙也!俺まだお前に告白せなアカンことが…それはもちろん愛((バンッ))お?ざいぜ…え、ちょ、待ちやそれ…!!てかほんの軽いじょうだ……ぎ…!!!ぎゃ』 ブツリ… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ピンポンパンポーン♪ 『保健医の佐山先生。放送室に血まみれの男子生徒が一名おるんで至急放送室までお願いしますッスわ』 ブツッ ガガッ ピー… 『これで今日のお昼の放送は終了ッスわ。担当は忍足謙也さん、白石蔵ノ介さん(重症)でしたわ』 ブツン ………お前は誰だ!!という全校生徒の心の声が揃いました。 空き教室に空になったお弁当箱と、粉々になったスピーカーがありました By 生徒A |