ガガッ
『………………お昼の放送を始めます。今日のリスナーは俺、忍足謙也と変態と謎のリスナーでお送りします』
『うわ〜謙也引くほど暗いわぁ。そしてちゃっかり変態呼ばわりかい』
『うっざマジ死ねよ変態』
『謙也!キャラ!キャラ!』

今日はあの魔の、おいでませINTHE四天宝寺。
魔o……幸村様に俺はもうやらないと電話をかけ、謙也さんには一切業務連絡しかしないようにしている。

もうあの人鈍いねん、疲れたねん。
しばらく距離置くしかないわ。
謙也さんを俺は身を焦がすほど好きやけど(我ながらなんて寒い表現)、謙也さんはそうじゃない。

そう思ったら悔しいとかそんなんよりただ虚しくなった。

謙也さんにとって俺はその程度……
放送してる内にまた元気になるに決まっとる。

「…………ハァ」

ため息ひとつ着いた瞬間だった。
いきなりの浮遊感、目がバチバチとするくらいに眩んで、口に手を突っ込まれたような不快感。
あまりにも始めての経験に俺は頭が真っ白になった。











『ほ〜ん……そうか〜、興味ないわぁ』
『謙也〜やる気ある?』


ドッタンガラガラゴシャッ!!!!

『『!!!??』』

『いってえ………』
『いきなり何なんや……つか重っ………い』

騒音と共にはじに置いてあったマイクが騒音をたてた人間の元に浮遊した。
もちろんスイッチONだ。


『ひっでー幸村部長〜。いきなり四天行って来いとかイジメだろー……!!だけどまあ、地獄絵図だけだったのはよかったけどさぁ……てか何でマイク?』
『重っ…ど……!!』
『つかアレ?四天の部長さんに足が速い人……?つかココ放送室………?』
『ッ〜〜〜〜!!!ええから早うどけゆうとるやろ脳みそないんかお前は!!!!』
キーーーン!!
『うぉ?!!何で俺の下にいんだよ財前!?』
『お前んとこの部長の黒魔術で召喚されたんやボケ!!ええからどけ切原!!お前重いわ!!』

ガガッ
『!!!光………』


くそっ、あの魔王やってくれたわ……
てか呼び出しついでに切原まで召喚しおった……!!

ガガッ
『あーくそっ、痛かったわ』
『ははっ、悪い悪い。まさかお前も召喚されてるなんて思わなくてさー』

とりあえずコイツが帰らん限り俺は放送室から出れないみたいやな……もうしゃーないわ。
さっさとやろ。

『はぁ………で、切原、最近の立海はどうなんや?お前、先輩が卒業したらレギュラーお前一人やのに平気か?』

ニヤニヤ笑いながら言うと切原はムッとした顔をした。
はは、分かりやす

『ちゃんと育ててるっての。おめーなんかあんな一年いて大丈夫なのかよ?』
『は?天才に何言うとるんやお前、大丈夫に決まってるやろ』

こういう馬鹿を嘲笑うって中々ええな、ストレス発散になるわ。

『おっまえ性格悪いな本当。まあ、幸村部長に比べたら――――ッ!?は、腹痛ぇ……!!』
『アホか、魔o…幸村サマの管轄はここまで行き届いてるんや残念やったな切原くん』

足を組んでうずくまる切原を見下ろす。
あ、ヤバイ超気持ちええ。

ガガッ
『光!』


……………せや、謙也さんと変態もいたんやった。

『………なんすか、今切原と和気藹々と仲良く話してるんスわ、邪魔せんといて下さい』

下からどこが和気藹々とだよ……!!という切原の声が聞こえたが、無視。

『くーっ痛かった……!!おいお前のせいだぞ財前!!』
『知らんわ、お前が悪いんやろバカ。』
『この野郎!!てめぇ俺とテニスで勝負しやがれ!!ブッ潰してやる…………!!?』

ガタンガタンガタッ
『…………謙也さブツッ

え、放送offにしたで謙也さん。

てか全校に今の放送は確かに危うかったかもな、うん。

「赤也くん、財前にちょっかい出さんで欲しいんやけど」

「はぁぁ!?俺がどっちかっていうとちょっかい出され……」

「ええから黙っとけや」

「はい…………」

いつに見ない謙也さんの相当怒った顔。
え、てか俺悪くないやん。

「謙也さん、まだお昼の放送やらなアカンやないんですか?勝手に切ってもうて………」

「…………えや」

「え?」

「俺に構えや!!』

謙也さんが泣きそうな顔で言う。
え、なんでそないに?

『ヤキモチ焼いたんやボケ!!やって俺、光と話したい、触りたい、寂しいわっ……!!』

『…………謙也さん』

俺の、一方通行やなかったんや……!!

『好きや光……やから無視せんでや……』

『すみません、謙也さん…………俺、きっとまたこうやってヤキモチ焼きます。でも、謙也さんがそうやってまた俺が好きだって言ってくれれば幸せになれますから、やから………………………………』

『れ………!?うわっ!?』

切原が急にいなくなったけど、まあええ。
今は謙也さんと愛を………愛を…………




ちょっとまて!!!!!!





え、なんで放送onになってん?
てか変態がおらへん!!

つか今までの放送全校という全校に…………!?

『………光?』

『謙也さん………約束、覚えてます?』

『約束?』

『放送室でいちゃつかない、』

『ああ!!………!?』







ガガッ
『はいは〜い、またまた職員室のマイク使用の白石やでー。前にも言ったけど、ちゃぁんと放送してるかしてないか確認せなアカンでぇー!!』

ブツッ












……………デ ジャ ウ !!!!!

あんのエクスタ変態がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!


と叫びながら真っ赤な顔した謙也さんを追った。




























おいでませIN THE 四天宝寺
今回は…………でお送りしました




(俺よく考えたら自己紹介すらしてねぇし!!つか俺なんかしたっけ、なにあの扱い!!)




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