ガガッ
キーン……
『ゴフン……あーあー…マイクのテスト中……』

ついに、きた……




『よし…!ほな待たせたな!!皆が皆期待しとった水曜日…<告白したもん勝ち>のコーナーやーーー!!!ゲストはもちろん財前光!!放送は3年2組浪速のスピードスター!!忍足謙也でお送りするで!!』
キーーーン……

アカン緊張してきた…
やって今まで乱入とかはしてきたけど実際に謙也さんと放送室で二人きりなんて初めて……


『そして特別ゲストの白石もたった今乱入したで!!今日はマイクが三本の大量生産って訳や!!!』
ドンガラガッシャン!!
アアアアアア!!!←断末魔

『マイクは二本で十分ッスわ』
『ひ、ひどいで財前……誰が発破かけてやったと思ってんのや!!!』
『ありがとうございました白石部長。よし、早く出ていけ』
『 棒 読 み!!』
『アカン…部長なんかにお礼言ったからじんましん出てきた……』
『いてこますぞお前!!』

畜生どこまでも邪魔な虫やエクスタ部長。

『ま、まあまあ。落ち着きや財前。(多分)白石にも悪気はなかったと思うねん。ほら、白石も落ち着きや』

まあ謙也さんが言うなら……

『謙也がいうならしゃーないわ。我慢したる』
ズドメシャグリッ

マジ死ねよ変態。←怒りのあまり標準語

『アカンアカンアカンアカンアカンアカン!!!何とんでもない音たたせてマイク突き刺してんねん財前!!ぎゃあああ白石がああアアアアアア!!!!!財前どこに刺してんねんんんんんん!!!』

ああ今全校中がどうなってるか気になってるんやろうな……

『なに黄昏れて全校について気にしてんねん!!早ぅ抜きなさい!!』

しゃーないか。
全く………

グリグリグリグリグリグリ!!!
ズポッ
『これでいいッスか?』
『財前今完全に白石にとどめ刺したで……』

ま、しゃーないッスわ!←迷言

『…。ほな、まずは財前に相手について語ってもらうで!!どうぞ!!』

『………………へたれッスわ』

















『え?!それだけなん!?分からへんわ!!』


なんてことや………

謙也さん…………




自分が へ た れ っていう自覚あらへんのか!!

つかまだ誰か

わ か っ て へ ん の か い !



『ざ、財前……?か、顔が怖いで〜……?』
『な ん で も な い ッ ス わ』
『ざ、残念やったな財前…!!ぶ、くくく……!!』
『黙れ変態』
『ちょ、ええ加減にせぇ!!そろそろ告白してもらうんやから……先輩は、送り、出さな……。ほら、財前マイクやで!!』
ガガッ

『謙也さん……?』
『大丈夫やで財前!!きっと想いは伝わるわ!!』

謙也さん……
せや、部長のせいで忘れるとこやったわ。
今、俺がせないかんのは告白すること、それだけや!!


『謙也さん。俺、大好きなんに、相手に悟られんように、ずっとひた隠しにしてきた。理由は一つや』
『財前……?』
『怖かったんスわ。俺の好きな人はアホみたいに鈍くて、だけど、誰よりも優しくて……最初は、その優しさを受け入れられない俺がいたけど……。いつの間にか好きになり過ぎて。ヒヨコみたいな頭で誰かに笑いかけてるのを見るだけで妬いたんや。本気で、好きになり過ぎて、フラれたときに拒絶されたら、って。やけど……』

放送に乱入したりなんなりしてきて、ずっとわかってたはずの謙也さんの優しさを分かり直した。

世界一立派な言葉、なんて言えないし、つたない文章力しかない俺には素晴らしい告白なんて、できない。

でも、この想いは本物やから。
伝えさせてください……


『ずっと好きでした……謙也さん』
ブツ…
ドンガラガッシャン!!

「え……?」

多分、謙也さんだけでなく、全校中が俺がここまで本気やなんて、思ってなかったんやろうな。
いや、部長はわかってたか……。

ガガッ
『白石……?』

謙也さんの倒れたマイクをそっと直して、白石部長は出ていった。
ずっと馬鹿にしてはきたけど、あの人の優しさには感謝してる。
口には出さんけど。

ガガッ
『…………あん、な?』

怖ず怖ずと、謙也さんが放送に向き直ったのを見て、俺はそっと目を逸らした。

叶わないなんぼで言い出したことや。
どんなひどい結果やろうと、俺は受け入れる。

『……お、俺は……へたれやないから……』

?何を言い出してんねん謙也さん。

『ちゃんと放送で言う、わ。お、お…………』

そっと見た謙也さんの顔はーーー……






















『俺やって財前が好きや!!いいいいい以上!!これでお昼の放送を終わりにするで!!』
ブチリッ

耳まで真っ赤にしていた。



「………謙也さん…」

「付き合うことになるけど……異論はあらへん、よな?」

「はは……!!誰が異論なんて……異論なんてあらへんわ!!」

俺が謙也さんに抱き着くと、謙也さんもそっと俺の背中に手を回してくれた。

「…謙也さん……好きや……」

「ん、……俺も財前……いや、光が好きや……」


もう、離さへん………
何度も唇を重ねながら、俺はそう誓った。

ガガッ


…………?

ちょっと待て。

「え……?何でいまマイクの音がしたん……?」

「………」

俺は告白したと同時にマイクの電源を切って、謙也さんも返事したあとにすぐ切ってた………

チラッとみた唯一、倒れたりせず、尚且つ、途中で使ってた人物が出ていったマイクの電源を見た。










      O N







「「ッ………!!///」」




つまり今まで語ってた愛の囁きも、キスの音も………


♪ピンポンパンポーン♪

『職員室から失礼するで!!俺はすぐにここから逃げなアカンから、一言だけ!







放送委員なら、放送委員が好きなんなら、ちゃあんとマイクの電源をチェックしてからキスなり愛の囁きなりやるんやな!!ははははは!!www』
ブツン……





























『『変態がアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!』』
キーーーン!!!!!


俺らの最初の共同作業は、変態を捕まえるという、なんとも色気がないものになりました。まる



































学校内でかつてない大規模で壮絶な鬼ごっこが行われました。

生徒J





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