小説しょうと四天 | ナノ

Not憧れの先輩


めちゃくちゃ設定

☆謙也が後輩
☆財前が先輩
☆白石は変わらず部長で財前の同級生or謙也の幼なじみ


そんな設定許されるならどうぞ
(^O^)


























「カッコイイ…」

ほうっと謙也は呟く。

その視線の先には、中学2年の先輩である財前光の姿があった。
















「謙也♪」

「なんや、白石…先輩か。驚かさんといて…下さい」

「ははは、敬語は相変わらず慣れへんみたいやなぁ♪で、相変わらず財前を見つめる健気な後輩っていう姿もな……」

「!!白石!!!……………………先輩」

「ぶっ!!もうアカン!!!謙也クソ笑える、ぶははははは!!!!」

「笑うなやクソ白石!!!」





白石と謙也は家が近所の1歳離れた幼なじみだ。

そして、先ほど謙也が見つめていたのは財前光。白石と同級生の副部長で白石の親友、らしい。

そして、そんな財前に惚れた謙也は、毎日毎日、光を見つめ続けているのだった。

「忍足、」

「!!な、なんですか財前先輩?」

「Tシャツ、裏表や」

「え、えぇぇぇぇぇぇ????!!!」

ぼっ、と一気に顔を赤くした謙也を素知らぬ風に通り過ぎていく財前。

そうやって少し構ってもらいだけで謙也は幸せだったりする。
















−−−−−−−−−−−−−−−−

最初、謙也はむしろ財前が苦手だった。

天才と持て囃され、それを鼻にかけて努力もしない奴だと思っていた。

それが変わったのは5月半ば。

たまたま忘れ物をした謙也が慌てて学校に戻った時だった。

「遅くなってもうた…!!!もう9時やないか!!!!白石が幼なじみでよかった…鍵借りれるし…」

なんて言いながら部室に向かっていると、

「!!電気、ついとる…」

誰かいるのか?とドアを開けるとそこにいたのは泥だらけで眠る、財前の姿だった。

まだ汗が出ては流れるのを見ると、ついさっきまで練習していたコトになる。

「あ……」

よく見ると財前の膝や肘は傷だらけで、相当な努力をしていたコトが分かった。

「天、才……」

「やないわアホ」

いきなりパチリと目を開けた財前に、顔を覗き込んでいた謙也は慌てて飛びのいた。

「んな驚くなや……ってもう9時かいな…残り過ぎたわ…」

ふあ、とひとつ欠伸をして財前は着替え初めた。

思った通り、身体も傷だらけでちゃんと筋肉もついていた。

「……財前先輩って…努力する天才なんですね」

「は?ちゃうわアホ。努力するから天才なんや。覚えとけ忍足」

「!!!」

自分の名字を知っていた、というコトに謙也は目を見開いた。

「何で俺の名字知ってるんですか…?」

いつも先輩達には

白石の幼なじみ



白石の腰ぎんちゃく

としか言われなかった謙也にとっては目から鱗だった。

「は?そりゃ後輩の名字くらい覚えなアカンやろ。ナメとんのか」

「…………いえ!!」

ほっこりと嬉しそうに笑った謙也に財前は首を傾げた。

「ほな、忘れ物取ったんで!!お先失礼します!!財前先輩お疲れ様でした!!!」

そういって元気よく部室を出て行った謙也に財前は仄かに微笑んだ。

「面白い奴やな……」

















−−−−−−−−−−−−−−−−

それ以来、謙也は財前ばかりを見つめ、そして、恋い焦がれているのだった。

「ざーいぜん♪」

「なんや白石…」

思い切り嫌そうに白石を睨みつける財前に、くくく、と白石は笑った。

「んな睨むなや。お気に入りの後輩と俺が仲良く話すくらいで♪」

「………殺すで」

神経を逆なでしてくる白石に財前はイライラしたようにスポドリを飲んだ。

「しかしあの財前がな〜…くっ、ダメや。財前が俺に真顔で『あの後輩、お前とどういう関係や』って聞いた時はもう、はははははっ!!」

「………鳩尾をエグられるんと、向こう脛を切り落とされるんどっちがえぇ?」

「ほんますみませんでした」

平謝りを即刻に行使した白石に財前はふんっ、と鼻を鳴らした。

その時、

「謙也!!!」

叫び声と共に鈍い音。
財前が驚いて振り向くのと、謙也が倒れるのはほぼ同時だった。

「忍足!!」

慌てて財前は謙也に駆け寄る。
近くにボールがあるのを見ると、謙也にボールが直撃したらしい。

「なにがスピードスターやこのアホ…!!」

ぐいっと謙也を賊にいうお姫様抱っこをして、財前は急いで保健室に向かった。
















−−−−−−−−−−−−−−−−

「ん……?」

ゆっくりとまぶたを開ける。見慣れない天井。だが家系的に嗅ぎ慣れた薬品臭。

謙也はココが保健室だと理解した。

「起きたか」

「!!」

急にかけられた声に慌てて体を起こすと制服で立っている財前の姿があった。

「あ、あの…!」

「お前お人よしやなぁ。友達庇ってボールに当たるなんてな……」

「い、いえその……」

「そうやって人を護るお前を守りたい思う俺のコトどう思う?」

「………え?」

ふ、と笑って財前は謙也の荷物を持ってくると言って出て行った。

残された謙也は今までにない胸の高鳴りを感じていた。





















Not 憧れの先輩


















修正 20111227



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