小説しょうと四天 | ナノ

ツンデレとは


「なあ白石」

部活前、白石と謙也以外部室にいなかった時だった。

「つんでれってなんや?」

「…………………」

はてさて、この親友に対して白石は適切な答えを持っていなかった。

確か小春はツンデレの気がある。だが、小春はユウジに対して滅多にデレないが、他の人間にはデレデレだ。
これではツンデレじゃないと言える。

「………そうやなぁ。てか何でそんなコト聞くん?」

「いや、何か廊下歩いてたら男子の集団が好みの話をしててな?そこで俺はツンデレがいい言うとった男子がいたんでな。気になったんや。」

「そうか…うーん…」

しばし考えてから白石は仕方なく適切な答えが見つからなかったので、ツンデレに対しての定型文を述べた。

「いつもはツンツンしてるのに、好きな相手にだけデレるコトや。後は〜…せやな、『〜なんだからね!!』て言うたりするらしいで?」

「ふ〜ん…何かよう分からへんわ。具体例出して欲しいんやケド。」

「ツンデレが見つかったらな。ほな早ぅ部活の用意始めな。お前のパートナーが…」

バンッ!!

「謙也さんどんだけ俺を待たせるんスか?さっさとして欲しいんやけど。ったく、スピードスターが聞いて呆れるッスわ。先始めちゃいますんで」

「な、ちょぉ、待ちぃや財前!今用意しとるわ!!」

わたわたと用意をしてラケットを引っつかんで出て行った謙也に白石は苦笑した。

おそらく、さっきの財前のせいでツンデレに対しての疑問はすっかり抜け落ちたであろう単純さに。

−−−−−−−−−−−

「あ、そうや財前!今日帰りにマ●ク寄ってかへんか?新しいシェーキ出たらしいわ!!それに疲れたしな!!」

「は?嫌ッスよ。面倒なんで」

「そない連れないコト言わんといてや〜。な、行こうで!!」

部活が終わり、俺と謙也、財前だけになり、謙也はいつもの如く財前を帰りに誘う。そしてそれを断る財前もいつものコトだった。

「あーもう。謙也さんうるさいッスわ」

「何や冷たいなぁ〜」

むー、と不満げにする謙也はあ、と思いついたように俺に視線を向けた。

「ほな白石!!一緒に行かへんか?」

「!」

「はあ?なんで俺があんな健康に悪いモン食わなアカンのや。」

当然俺はファーストフードなんて食いたくないから断る。

「何や何や揃いも揃ってノリ悪いやっちゃなぁ!!!しゃーない、千歳捜して誘うか…アイツ何だかんだ付き合いいいし…学校におるかな…」

ボソッと謙也が言った言葉にロッカーが盛大な音をたてた。

「……行ってやりますわ」

「え?」

ロッカーの派手な音をした方を見ると財前。
しかしかなり機嫌悪そうにしている。

「だから、マッ●行ってはります。さっさと行きますよ」

「お、おう…」

訝しげにしながら謙也は荷物の用意をする。

「ほな行くで!!悪いなぁ、財前。嫌なのに付き合ってくれて」

「…………別に




















謙也さんとなら何処も嫌やないッスわ」

……………………え

「ん?なんか言うた?」

「!!な、何も言ってへんわ!!早く行きますよ!!べ、別に謙也さんと一緒にいたい訳じゃありませんから!!」

「分かってるって。ほないこか?」

「…しゃーないから一緒に言ってやりますわ」

「おん!ありがとな!!」

ニコッと太陽のように微笑んだ謙也に少し財前は顔を赤くしていた。










次の日

「謙也」

「何や白石?」

「財前や」

「は?」

「財前のコトや」

「ちょ、ちょおどういう意味やねん白石!!あ、コラ待て何のコトか説明しぃや!!」























ツンデレとは

財前のコトや!!








ただし、攻める側のツンデレやけどな!!!



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