小説しょうと四天 | ナノ

T!財前くんの天使



ぶっちゃけ、謙也さんは天使やと思う。
俺の!マイ!スウィート!エンジェル!や。



例えば、輝く瞳とか(財前は自分が絡むと謙也の瞳が輝くとは知らない)。
例えば、淡い桜色の頬とか(財前を見てたぎって興奮したから染まると財前は知らない)
例えば、照れたように顔を逸らして口を尖らすとことか(その顔の下で股間が押さえられてると財前は知らない)
何より、あの楽しげにいつもキラキラしとる笑顔や(財前の知らないところで、その笑顔が鼻血や涎で汚れてると財前は知らない)

そんな可愛い過ぎる謙也さんにご執心になってしもた、ただの人間が俺……とでも説明しておきましょか。

とりあえず謙也さんマジ天使。






















T!財前くんの天使





















「謙也さん謙也さん謙也さん謙也さん謙也さん謙也さん謙也さん謙也さん謙也さん謙也さん謙也さんん……ああもうこないに名前出すだけで興奮してよがれて歓喜して勃起出来る五文字存在したんスね、謙也さんマジ天使結婚して」

「ならまず告れや」

「なーに言ってんですか白石さん。あないに神聖な謙也さんを俺が好きになるだけでおこがましいんに、告るとか侮辱の域を越えますわー。あ、もちろん白石さんはギリギリセーフですよ?完璧やし。やから早く謙也さんヤって下さい」

「…………もう嫌。現実見てや」

「?『謙也さんが天使マジ可愛い』以外の現実があるんですか?」

白石さんはガンッと机に突っ伏して何かの呪文のような言葉を呟く(STKSTKSTKSTKSTK……って何やねん)。
謙也さんの魅力にヤラれたんかな。まぁそれならしゃーないッスわ。

そんな考えと、白石さんを少しだけ視界におさめつつ、今日の戦利品を並べる。
とりあえずケータイに謙也さんの写メが58枚増えたんは上出来や。最高記録はたしか79枚。
いつか一日100枚越えで撮れたらとはよく思う。
そしたら拡大コピーして、部屋という部屋中に謙也さんの写真を貼付けるんや……!!あ、もちろん既に部屋に18枚ポスターは貼ってある。いずれもベストショットを更に厳選したものばかりや。
ちなみに今の1番のベストショットはたまたまシャワー室に入ったら泡泡になってる謙也さんを発見、思わず隠し持っていたケータイで撮影したもの。
ぶっちゃけ思い出すだけで18回はイケる。まあ何十回もは、さすがにやらへんけど。ほかの謙也さんの写真に失礼やからな!!(隠し撮りが失礼だということに財前は気づいていない)
あ、ちなみに将来的には家中にベストショットを貼付けるんやや。もちろん謙也さんの家の近くに建てるマイホームにや。

「あとは……ふふ、」

カサ、とビニールから出したのはイチゴミルクの空パック。
もちろん謙也の飲んだものである。
謙也さんは基本水筒やし、買うとしても青汁やから、ぶっちゃけこのイチゴミルクの希少価値は高いで。

「これは貯蔵No.1135やな。ペロペロしたいけどそれはよっぽど嫌なことがあった日やないとなー。はあわあ、謙也さんマジ可愛すぎて愛しいッスわぁぁぁぁ」

「……………………」



白石さんの死んだ目など気にもならない。てか謙也さんの美談を語ってるんやから何を死んだ目になってんだか意味不明や。あ、もしかして謙也さんが麗し過ぎて昇天しかけとんのかな。ふ、まだまだ甘いッスわ白石さん。
俺はもう何度も謙也さんに昇天しとるからだんだんと許容量が素晴らしくなってきとんねん。さすが俺や。

とりあえず俺は謙也さんが愛しい。もはや愛しいレベルなんてすっ飛ばす勢いや。(というかもうすっ飛ばした)
ちなみに最終目的は貯蔵に謙也さんの精液がついたコンドームひとつや(白石さんにヤって貰うべく交渉中)
あとやってみたいことは謙也さんの性器触るんもいいけど1番は血や。血を貪りたい。
それは謙也さんの一部が俺のナカに、ということや………
もはや死んでええ領域や。死ぬときは是非謙也さんという名の天使に運ばれたい。
そこで俺は思うんや……

『ああ。やっぱり謙也さんはほんまもんの天使やったんや』

「とな!!!!!」

「財前くん頼むから一回三途の川から現実見て戻ってこないで」











「あ、白石!俺のお願い聞いてくれる気にな……!……財前んんん!!?」

「んあひゅえこよぁ!?」

パタパタと可愛い可愛いひよこのような足取りで白石さんに走ってきた謙也さんは、一緒にいたのが俺だと気づいて驚いたようや。
………1番驚いたんは俺やけどな!!今謙也さん俺を読んだんやで!!!世界中にいる財前の中の、俺の!!『財前』をや!!!興奮せんほうがおかしいわ!!異常や!!

「な、なんや、財前が空き教室にいるん珍しいな。白石も一緒やし……てか白石めちゃくちゃ負オーラ出てるで?どしたん」

「もう殺意しか湧かん嫌や何コレ堪忍して」

ちょっと慣れないように喋る謙也さんの可愛さは俺の手には負えないくらい可愛い。
どうしようアカン、謙也さんが俺の半径2m以内にいる……死ねる、今すぐ死ねる。

「……てか財前イチゴミルク飲んだんか?」

「………へ。」

「昨日俺も飲んだんやでー!このイチゴミルク中々美味いやんなー!!青汁には負けるけど」

「……………そう、ですね」

会 話 し た ぞ。
おい奥さん聞きましたか俺謙也さんと会話致しましたことよ。いつも緊張して言葉にならない効果音しか出してなかったからこの嬉しさは半端ない。
そしてこのイチゴミルクは謙也さんの戦利品である。
………どうしよう謙也さんの目の前で口つけたらきっと俺異常に興奮する。何て言うプレーやねん。公開羞恥プレイ?とりあえず謙也さん可愛い!!

「…………謙也」

そこでようやくぬらり、と白石さんが立ち上がった思たらニッコリ笑った。

「すまん、手が滑った」

バシュッ!という効果音が何故か出し、白石さんは飲んでいた健康茶を謙也さんにぶっかけた。いやいやいや……手が滑ったようには…………………

「忍足先輩ぃぃぃぃ!!!?」

あ、ちなみに心では謙也さん呼びやけど、まだ現実では忍足先輩呼びや。
やって、照れるもん。

って、ちゃうわ!!

ぽたぽたとお茶で身体を濡らした謙也さんはなかなかにエロかった(白石さんはただの濡れた男子やと言ってたけど)。
……………ヤバい。
何がヤバいって俺の股間が打ち抜かれる勢いで興奮する。
あ、てか勃つ勃つ勃つ勃つ……!!!

「コッ、これ使って下さい忍足先輩!!」

鞄から綺麗に畳んでおいたタオルを引っ張り出して(A型グッジョブ!!)謙也さんにこじ渡した。
謙也さんは一瞬目がたれん、として慌てて隠すようにタオルで目の下を俺のタオルでおおった。
ひぃぃぃん謙也さんが俺(のタオル)に包まってるぅぅぅ!!!!ヤバいあのタオルは家宝や!!絶対洗わへん!!

「ええ加減気づかんカィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!」


スッパァァァン!!という音と共にお届けされた鋭いツッコミに目が点になる。
いや、ええツッコミやけどボケがあらへんで…………?俺も謙也さんもボケてへんし……

「お前らほんッまにいいッ加減にせえよ……はたから……いや、お前ら俺以外にはそれ見せんから……俺!から見たらほんッまもんの変ッ態やで……つか鈍い……鈍ッ過ぎや。俺かて我慢の限界はあんねん。今までよう耐えた方やで俺は……もう、強行手段や。」

……………とりあえず白石さんに変態呼ばわりはされたない。

謙也さんもそう思ったのか眉を寄せてる。うは、以心伝心や。

「………第四体育倉庫」

「「…………………………ッ!!!!」」

なんて喜んだのもつかの間。
次の瞬間、俺は恐怖のどん底に突き落とされた。

「……には、何があるんやろうなあ?さぞかし愉快なモンが掃除すれば出てくるやろなー……例えば、」




盗撮写真、とか





ぶわぶわという効果音と共に一気に体中から冷や汗が吹き出る。冷や汗言うんやから冷たい印象湧きそうやけど、むしろ冷や汗かきすぎて逆に暑そうに見えそうやで。
てか…………ヤバくない?
ナンパ男みたいな口調でヤバくない?言ってもあまり恐ろしさは感じひんかも知れんからもう一度ちゃんと言う。











非ッ常にヤッベェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!











第四体育倉庫には、俺が学校用にと貯蔵しとる謙也さんを盗み撮りした写真が仰山ある。
それは誰にも教えたことは……って、せやったあああああああ!!!!白石さんに見られたことが一度だけあったんやああああああああ!!!!

まさかそれで見抜いてもうたんか……嘘やろ完璧過ぎやろ白石さん怖い!!!!!!!!

「今日の放課後にな、テニス部は学校清掃を手伝う予定やねん。ちゅー訳でな、誰に頼むかは決めてなかってんけど…………今決めたわ。お前ら二人、協力して片時も離れずに掃除せい。」

「「なっ………!!」」

ぶっちゃけ片時も離れずにってのはおいしい。
謙也さんが一生懸命掃除する姿を俺は盗撮できる。(ちゃんと盗撮の自覚はあるっちゅーねん)

けど、それと同時に俺は謙也さんに盗撮写真が見つかれば、この盗撮写真は誰なら撮れるかを冷静に考えれば俺だとバれ、謙也さんの盗撮写真と引き換えに、俺は謙也さんからの信頼と信用を失って、嫌われる…………













「先「カギは放課後、二人が揃ってから開けるからな☆」

久しぶりに見た輝かしい笑顔で言い放った白石さんに俺は恐怖のどん底に突き落とされた。

























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やっと書けた!めちゃくちゃ楽しい!!なにこれ!!楽しい!!なにこれ!!
財前の心は鬱丸の願いです←

ぶっちゃけコレseriesにすればよかった(笑)



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