光謙リク 名無しサマ

「あ、謙也さ……」
「ほんでな!?白石何て言ったと思う!?『俺が絶頂なばかりにたくさんの人間を悲しみに沈めとるんやな……申し訳ないわ』やで!?ありえないやろ!!」
「あらあら、白石クンたら仕方ないわねぇ。あら?財前クンやない!」
「おう財前!聞いてや!!さっき白石がな……ってオーイ!?無視か!!」





「………調子乗ってんなや白石部長」
「うおお、開口一番いきなり毒舌やなんて財前容赦あれへんなあ」
「何が俺が絶頂なばかりに、ッスか。この歩く猥褻物が」
「……何や、財前。俺にここまで絡むなんて、謙也絡みやな?大方謙也が俺の話を楽しげにしてたからやろ?」
「………うるさいッスわ」
「ま、残念やけど俺が絶頂なんやからしゃーないやろ?俺が絶頂なばかりに、光に悲しい思いさせとるしー。うん、やっぱり俺絶頂やわー。ンーッエークスタシー!!」
「……チッッッッ!!」
「隠す気さらさらあらへん舌打ちやな!」
「はあ………」

ため息をついて部長の前の席に腰掛ける。
部長はニマニマ笑いながら俺を見てくる。気持ち悪い、鳥肌が立つ。

「謙也とお付き合いってほんまに大変やなー。無自覚やし無差別やし無関心やからな。恋愛にたいして。やって俺アイツが嫉妬してんの見たことないもん。」
「ですよね、やっぱり。何て言うか、アイツら仲良いなあ、で済ましちゃいますし。大体恋人になるんも凄い苦労しましたしね」
「まあ謙也が財前を好きになったこと自体奇跡に近いからな」
「はは、確かに」

不器用ながら笑えば白石は部長は良かったなあ、と微笑み返した。
何だかんだでこの人には結構協力して頂いたしな。

「ま、嫉妬とかしてまうのはしゃーないし、そのイライラを謙也さんにぶつけたくないんでこうして白石部長にぶつけてんですけど」
「おいおい、財前堪忍してや」

「…………随分楽しそうやな」

パッと顔を上げれば引き攣った笑みを浮かべた謙也さん。

「……………?」
「………へえ…………せやろせやろ!!?財前には相談乗ってあげたりしてたからな!なー?」
「え……はあ……」
「な……!!」

ちょっとショックを受けた顔をした謙也さんに眉を寄せる。
どうしたんやろ……。

「ほんまに可愛い俺の後輩やでー」
「ッ………ざ、財前は俺の後輩やし!!」
「はあ………」
「後輩……?なら俺財前狙ってええん?」
「な!!だ、ダメや!!財前は俺のもんやし!!」

…………話が見えない。
てか、何や俺放置やん。
やっぱり仲良いなー、二人。

落ち込むわ……









「……………誰か今すぐあの鈍感と確信犯をどうにかしろや。終いにゃ謙也が心労で倒れるぞ」


「ンンンンーッ!!!エークスタシィー!!!」








― ― ―
名無しサマで光謙嫉妬ネタ
お互いに白石に嫉妬してるのが楽しかった。
こういう鈍感財前が結構好き



7/8
<< bkm >>
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -