光謙リク 雨花サマ


「ただいまー……」
「お帰りなさい、謙也さん」
「ふぉぉ!!??」

後ろから突然のしかかった体重に眉を寄せながら振り向けば相も変わらず美麗なイケメン。

「………後ろから抱き着くの辞めや光。」
「いいやないですか別に。可愛い元後輩の可愛いスキンシップですよ。」
「………可愛い、ねえ」

見上げた先にはニヤニヤと笑ってる光。
………そう、見上げた先。
その頬は昔、無表情と売りの頬とは掛け離れた緩さだ。

「……俺よりでかなった癖に可愛い訳あるか」
「俺は別に身長を伸ばしただけですよー。堅実に、ね。中学時代に一気に身長伸ばした謙也さんとは違ってね」
「………20cmも無駄に伸ばしおって。」
「昔と逆ですね。謙也さんに10cmも離されてた頃の俺が嘘みたいに、今度は俺が謙也さんに10cmも差を付けちゃったんだし。今日の音楽会社の健康診断で187cmでしたわ」
「うっさいわ。まさか俺も177で完全に止まるやなんて思っても見なかったわ」
「はは。多分俺がいつも謙也さんの背が伸びませんようにー、って願ってた成果ッスわ」
「……元凶はお前か!!」

ビシッとツッコミを入れ、後ろからのしかかる光をどかし居間に進む。
ふて腐れた顔になるんはしゃーないやろ。

「そんなふて腐れんでよ謙也さん。」
「ふて腐れてないわ。昔俺を振り向かそうと必死になってた光が懐かしくなっただけや。あんなに可愛かったんに……」
「…………そんなに、嫌?」
「…………は?」

振り向けば少し肩身を狭そうにしている光。
顔はちょっとだけ悲痛さが滲み出ている。

「謙也さんは、昔の俺のが、好き?」
「………………」
「…………背が伸びた俺なんか、嫌?」
「………アホか。ただ単に昔の光は可愛かったってだけや。今も時々ならかわええし。例えば今とか。捨てられた子犬みたいや」
「謙也さん、それ複雑……」
「今は、昔より…………」
「?謙也さん?」
「か、かっこようなったから………あんまし、俺………余裕ないねん。俺を上から見てくる光に毎度ドキドキ―――うわ!!?」

いきなり居間のソファに軽々と押し倒されたと思ったら性急に入ってきた熱い舌。
思わず体が情事を思い出したのか、一気に体が熱を浴びたように沸騰したようやった。

「俺、悪くないんで。今まさに俺を誘って見せたのは謙也さんですから」
「アホ、か!誘ってないわ!ゆ、夕飯はええんか……?お腹すいたんやない……?」
「やから善哉よりも好きな好物を目の前に我慢できなかったんですよ。勘弁して下さいね謙也さん」
「………しゃーないなあ」

ゆっくりと俺と光はソファに悲鳴あげさせながら行為に夢中になっていった。








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雨花サマより
大人な光謙で光が身長抜かし済み、というリクを頂きました!

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