小説しょうとtake | ナノ

タイトル待機中!


朝。
まばゆい朝日が窓から差し込む。
小鳥達が歌うように囁き、何とも美しい朝が優雅にやってきた。

煎れたてのコーヒーなどが合いそうな、そんな、朝が。





そんな、朝で、







「……………………」

「……………………」

「……………………」

「……………………」





「「……………ヤらかした」」



身体中に卑猥なる赤い跡。
上半身、いや、身体全体は薄いシーツがかかるだけ(下半身含む)
転がるゴム(残骸)。

そして、鈍痛(主に腰、尻)、疲労。







もう、応えは一つしかなかった。




「………いたしたなぁ、財前」

「………ッスわッスわー」

「………………アカンどないしよう」

「…………俺らは大切なモノを失いましたッスわー」

「………ヤバいやんな、これ」

「未来真っ暗ッスわー………」

若干どころかかなり食い違う二人の会話(財前の口調からは動揺が滲み出ている)は、言ってしまえば世間でいう、



ピ ロ ー ト ー ク というものだった。



















まずこうなったことを起因すると、大前提に光謙……失礼、光と謙也が腐男子ということからだ。



二人の仲の良さが異常な理由というものは簡単だ。
世間からなかなか認められない所謂『BL』というものが好きな人間同士、だからである。

趣味はヒトそれぞれととはよく言ったものだが、この世には世間から認められにくい趣味というのは必ずしも存在する。

まあぶっちゃけて言えばホモが好きな腐男子が二人集えば、テンション迷子は当然のこと、その上に荒ぶったノリが乗っかかってしまうのだ。




それが、この二人は行き過ぎた。


「絶対謙也さんはMでヘタレで男前受けッスわ!!」

「やったら財前は鬼畜Sで厨二な攻めやんな!!」

「S×Mが出来るってことですよね!!最高ッスね俺ら!!」

「せやんなあ!!あ、」

「あ、」

二人が見上げた先は少し高級そうな某ホテル。
二人は視線を絡ませてにやりん、と笑ってホテルに入って行った。
中に入れば異常に綺麗な顔したイケメンが応対し、二人はかくしてツインの部屋に案内された。


そこからのことは、簡単だ。


「財前……!」

「謙也さ……!」

「ア……!!」

ベッドになだれ込み、二人揃ってイき、意識を飛ばす寸前、二人は思った。














((………アレ?俺ら何やっとんの?))













で、朝の状況に戻るという訳だ。




「………あ、ああー……アカンやろやばいやろ……」

「財前はまだマシやろ……。俺なんて男として失うべきやない処女の消失やで……尻痛い……」

「謙也さん童貞やないでしょ……俺今20歳で童貞やなくなったんすよ。俺の魔法使いへの野望……」

「…………もしかせんでも、さ。俺らって………」

「おめでとうホモの三次元世界」

「やんなぁぁぁ………」

うわぁぁ、という二人揃っての激しい心の叫び。
穴があったらそこに同人誌と共に潜り込んで永遠に引きこもりたい、というか時間を戻して魔法使い、という二人の気持ちはものの見事にシンクロしていた。

そんな時、響いたノック音。
身体を震わし、慌てて二人は甘い残骸を片し、服を着る。
謙也は枕に顔を突っ込み、財前は窓の外枠に腕をひっかけて空気イスの姿勢をした。
………ただの不審者である。

「失礼するばい」

カチャ、というドアの音と共に覗かせる大柄のイケメン清掃員。
千歳という名札をつけて、ニヤニヤと笑いながら部屋に掃除用具と共に滑りこんできた。

「お二人とも、昨日は随分お楽しみだったとね?たいが激しい音が鳴り響いてたとよ。パンパーンって」

「「………………………」」

もういっそ殺してくれ










二人は切実にそう願った。


清掃員にされた羞恥プレイを何とか流し、腐男子二人はホテルのエレベーターに乗った。

フロントに行ってみれば、さっきの清掃員がとてもいい笑顔で、異常なほど顔がいいフロント員に何か話していた。
絵面は何とも美味しい状況だが、これから起こりうる羞恥に耐えられる気が、二人にはなかった。

「チェックアウトでよろしいでしょうか」

「あ……はい……」

意外にもフロント員は特に茶化す訳でもなく、テキパキと作業をこなす。
そんなフロント員……名札を見れば白石、に財前と謙也はほっと息をついた。
フロントにはサワサワ流れる噴水があり、二人はようやくそれが美しく見えた。


手続きを済ませた二人はキャリーを引いていざホテルから正面玄関から出ていこうとした。


が、


「次回は向こうのホテルをご利用下さいねー」

そういって満面の笑みで白石が挿した……指したホテルは、ドギツイピンク色。
ギンギラの装飾を施されたホテルは所謂、ラ ブ ホであった。

「あそこはほんまに絶頂ですよー。俺もあそこで女の子をたらしこんだ達でして。48手から拘束プレイ、さらには貴方達ご所望のSMプレイが―――――」


「………ッ!!!逝けぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!」

財前は謙也のキャリーを持つとそれを思い切りイケメンフロント員の顔にぶち当てた。(人間から出てはいけない音が鳴った)

「財前それ俺のキャリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!」

そう叫びながら謙也はステップを踏んで、イケメンフロント員に飛び蹴りをかました(主に下半身にぶら下がるものに)

バッシャァァン!!という音と共に噴水に沈んだ白石フロント員。
腐男子二人は息を切らしながらそれを見つめる。
ジワジワと噴水が赤く染まっていった。


「……………………」

「……………………」

「……………………」

「……………………」





「「……………殺らかした」」



さっきと違う『や』の字が舞った。



「…………謙也さん」

「……何や」

「今の飛び蹴りに惚れました、付き合って下さい」

「………俺のキャリーをぶっ放す財前に惚れたわ、よろしくお願いします」

開けてびっくり玉手箱、二人がご所望なのはどうやらMSプレイだったらしい。



二人はゆっくりと手を繋ぎ、目の前にそびえ立つラブホに歩いていった。






二人のその後は、まあ、光謙、としか言えないだろう。
















ちなみにその晩、こんなニュースが流れた。

『銀座のホテルのフロント員が噴水に血を流すという怪異が起こりました。フロント員は意識もハッキリしており、「あんまりにも絶頂やったから……!!」と証言から、事件性のない事件と警察は判断――――――』









テレビには大爆笑している清掃員が一瞬写ったという。














――――――――
オフ会ありがとう!!
てな訳できとちゃんに頂いた
ネタを文章に起こしました!
クソみたいな文章だけどネタは
めちゃくちゃ楽しかった!
書いてて楽しかったよ!!

色々大変みたいだけど、無理は
しないで頑張ってね!

こんなんで良ければ捧げます!

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -