ちょ、待ってください
話が違います
俺は自分でいうのも何だが人の恋愛風景を見るのが堪らなく好きじゃ。
教室の1番後ろの窓際で誰と誰が想い合ってるか、を見つけてそれを好きな様に掻き回すのが楽しい。愉し過ぎる。
そんな俺、仁王雅治には赤い糸が見えるという素晴らしい特技がある。
あ、わかるだけで実際には見えんとよ?
だが一人だけ分からない
赤髪のブ…ゲフンゲフン丸井ブン太だけは。
好きな人がいるとは言っていた。
だが相手が全く不明。
あんだけ男女問わず好かれるんやからちょっとは靡けアホ。
赤也にジャッカル幸村芥川…あんなに丸井を好いとる奴らにも靡かん。
……………なんなん?アイツ。
「分からんのぅ…」
ぼそ、と呟きながら部室に向かう。
確か今日はミーティングじやったはずじゃ。。
「だーかーら!!」
着いた途端丸井の怒鳴り声。
幸村当たりにからかわれたか??
「俺はお前等の気持ちには応えらんないだっての!!」
……おぉ、ついにフッたんか。ナカナカに面白い恋愛事情ありがとさん。
「じゃあ丸井先輩誰が好きか教えて下さいよ!!」
赤也…確かコイツは越前とか不二当たりに好かれとったのぉ。
「!だからソイツに迷惑かけたくないんだよぃ!!」
……丸井にんな気遣いがあったんか…。
かちゃ、と誰にも気づかれないように部室に入る。おぉ、ナカナカの修羅場じゃなか??
「でもブン太。俺らをフルならそこらへんはハッキリして欲しいんだ」
「!!……幸村くん…」
幸村の背後からの黒オーラに俺は静かに丸井の想い人に合掌した。
「……でも………」
…………………イラッときた。フるならそこらへんは誠実になるべきじゃなか?
「丸井、丸井の売りは男前やろ。いつからそんなヘタレになったんじゃ?滑稽ぜよ」
いつの間にかいた俺に皆ポカンとしている。だけどいい加減俺も丸井の恋愛事情を知ってからかいたいぜよ!!←
「…………分かった」
丸井が静かに頷いて歩き出す。あ、まさかのここで告白か?青春じゃき
……赤也を通り幸村、ジャッカル。
まさかの真田…をスルーして柳も超える。
あ、柳生だったんか?意外じゃの…ってあれ。
柳生を通り越して、残るは……
残るは………………
ちら、と後ろを振り向く。……誰もいない。
…………え?
「仁王、俺はお前が好きだ。」
……俺は人の恋愛事情を引っ掻き回して遊ぶのが好きだ。確かに俺を好く女子もいたがそれはスルーし続けた。
最近1番気になっていたのはモテる丸井が誰にも靡かんから丸井の恋愛事情を知りたくなった。
そして相手を知ったら思い切りからかいながら影で協力する予定だったんじゃ。
……だったんじゃ。
ちょ、待って下さい話が違います