05/05 00:00 リョ(→)←謙←光妄想@
情事的な場面があります。苦手な方は注意!
悲恋要素アリです。
リョ謙光のトライアングル。
俺とコシマエの関係というんはかなり複雑や。
例えば、バードキスはダメで、ベロチューは良くて、手は繋いじゃいけないけど、肩を組むのはよし、ペッティングはダメで、セックスは良し。
俺は、コシマエにどういった告白をすれば良かったんやろうか。
主人公で、金ちゃんのライバルで、親友のようなコシマエに、そんなことしたくなくて。
けど、心から溢れ出る重たい気持ちに辟易していて。
それを察してしもたコシマエに、なんやかんや抱かれて、けど、好きや愛してるの言葉は許されない。
この関係って………
「セフレでしょ」
「あ―……やっぱり?」
「やっぱりも何も、それしかないでしょ」
「そ、っか……」
「つかこういう話は白石さんに話して下さいよ。何で後輩が先輩の性事情知らなアカンのですか」
「……スマン。やけど、白石に言ったら、な。コシマエのこと殴りに行きそうやし………」
「………俺やって、殴りたいし」
「………え?」
無人の図書室でカウンター越しに話していた相手は、カウンターを越えて、俺に近寄ってきた。
「ほなら聞きますけど、謙也さんは昔の、想うだけで希望なし、ってのと、今みたいにかりそめでも愛されて、希望が見える関係、どっちがいい?」
「…………そりゃあ、」
「今、の現状維持、でしょ?」
「……おん」
「希望あるだけ、ええやん」
「………?」
衿元を捕まれ、息がかかりそうなくらい、近い位置で、低く囁く声。
「好きな相手を想うだけ、挙げ句には好きな相手の好きな相手を知って、どうなってるか聞かされる身にも、なってくれません?」
「………っ、え」
「…………謙也さん」
一瞬、迷うように烏色の瞳は揺れ、けど、ゆっくりと衿元の手は外された。
「……もう図書室閉めるんで、出て貰ってええですか?」
「あ、え、と」
「……重く捉えないで下さいよ謙也さん。俺はアンタが笑ってればそれでええから。」
ふ、と淡く微笑む相手の顔を見て、視界が歪む。
ああ、俺は最低なことをしていたんや。
「……何泣いてんですか謙也さん。キモイッスわ」
そういって、ワイシャツの袖で俺の顔を痛いくらい優しく拭く相手に、俺はなんて声をかければ良かったんやろう。
俺は、ただ、
主人公。
それは重くを俺にのしかかる。
主人公だと誰もが持て囃す。
何で、やめて、俺は、ただ、
「コシマエ!」
「………謙也さん」
「……平気か?うなされてたで」
「……全然平気。ね、それより、もう一回……ヤろ?」
「………!!///」
謙也さんは、俺を主人公じゃなく、越前リョーマと見てくれて、俺を好きになってくれた。
けど、主人公って肩書を持つ俺が、ホモってのは許されないから。
主人公って肩書が無くなるまで、待っててよ、謙也さん。
「……コ、シマエ」
俺の下で喘ぐこの人が愛おしい。
どこで間違ったんだろう。
俺はこの人に愛を囁きたいのに。
けど本当は、俺は、ただ、
「あ―――……キツ」
桜色を彩る頬、淡く綺麗な瞳、それを全て見ていながら、それは俺に向けられちゃいない。
「ほんまに……キツ……」
好きな人が出来ました。
好きな人は主人公が好きでした。
主人公も好きな人を愛していました。
やったら、俺は?
「最悪……………」
「……ぁ、コ、シマエ」
「……いいよ、謙也さん。」
「アッ……アアア……」
何で図書室でヤるんやろ。
まあ、なんとなく、分かるけど。
コシマエは、謙也さんを取られたくないから、俺にこの重たいものを見せ付けるんやろう。
はは、主人公らしからぬ行動やないか。
けどな、そもそも俺は横恋慕する気はさらさらないんや。
やって、俺は、ただ、
っていうリョ(→)←謙←光はどこで見れますか?
もはや長編フラグである←
最終的には光謙オチだと思う!
重いもの(主人公)を背負うリョーマ
愛し愛されたい謙也
幸せを祈り、プラトニックラブを貫く光
っていう!!
「もっ、辛い……!」
「……謙也さん」
「愛されたいんに何も許されない……!!何で主人公なんか好きになったんや俺……!!俺は、ただ、コシマエに愛されたいだけなんにっ……!!」
「………謙也さん」
「ふっ……光、アイツを忘れさせて。お願い、楽になりたい。抱いて、俺を、抱いてっ……!!」
「!!ッ………」
「光………!!」
「ッ………嫌や!!!!」
「ひか………」
「ヘタレな謙也さんやけどな!!んな曲がったこと言うのは謙也さんやない!!俺は真っ直ぐな謙也さんに惚れた!!これ以上ないくらいに!!アンタは真っ直ぐで優しいから!!愛されたいんなら自分がこれ以上ないくらいにコシマエを愛してから言え!!主人公やから?そんなん謙也さんの言い訳やろ!!」
「……!」
「言い訳して、好きな相手に少し似とる俺にしがみついて何になんねん!!そんな安い愛やったんか、コシマエへの愛は!!そうやないんなら愛しまくってそれでも愛されないってとこまでいけ!!そうなったら慰め程度に頭撫でて青汁とおでんの牛すじ奢ったるわ!!!やから、行け!!」
「ッ………!」
「今ならまだ間に合う!!コシマエに精一杯の愛を届けろ!!話しはそれからや!!アホ!!」
「……!!」
「走れ!!!アンタはスピードスターやろ!!!!!!」
「光……!!おおきに!!」
アメリカに行ってしまいそうなコシマエを引き止めに謙也は走ります。
光がとりあえず可哀相過ぎる←
「コシマエ!!!」
「!?謙也、さん……」
「アホ!!!」
「な!?」
「置いてくなやバカ!!ついて来いくらい言えんのか!!」
「え………」
「もうお前が主人公とか知らへん!!越前リョーマ!!俺はお前が、好きや!!やから、俺を置いていかんといて!!」
「ッ………!バカじゃないの!」
荷物を投げ出して、俺を抱きしめたコシマエの温かさは、生涯俺は忘れられへん。
もう大丈夫や、俺は真っ直ぐ生きられる。
それを教えてくれたのは、アイツ。
ほんまに、おおきに――――
で、無事にリョ謙が成り立って。
少しくらいラブラブな毎日が続いて、
「「あ、」」
リョーマと光が鉢合わせするんだと思う。
んで、何や珍しくテニスしようと光から言ってきて、負けたら相手の言うことを一つ聞く、っていう約束。
「ハ、ア………!!やっぱり、強い、な。主人公は……」
「………ま、頑張ってんじゃない」
そういいながらも点差を見る。
主人公である俺が、ここまで追い詰められるなんて……
気が、抜けない。
「はあっ」
「……!」
「あ、」
俺が打ったボールが反れ、小さい子に向かってしまった。
何で俺が、こんなミスを――
「危ない!!」
ガッという嫌な音と一緒に、財前光は、倒れた。
「……何てことさすねん」
「…………ごめん」
「まあええけど。あの子は無事やったし。けど勝負はお預けやなー、残念やわ」
「……勝負はアンタの勝ちでいいよ」
「、へ」
「まあ、アンタの男気に、完敗した気分だからさ。けど、」
「けど?」
「謙也は、離さないよ」
そういってちょっと睨むと、財前光は苦笑して、アホ、と呟くように言った。
「誰が言うか。せやな、腹踊りでもさしたろか、って思っとったけど……辞めや」
「………じゃあ何?」
「謙也さんを、幸せにして」
「………!?」
「ぶはっ、何やその顔。鳩が豆鉄砲喰らった顔やん!!」
「え……いや、だって………」
「何でかって?そんなん決まってんやん。」
「俺は、ただ、謙也さんが幸せなら、それでええんや」
そういって、淡く微笑んだ財前光はゆっくりと立ち去って行った。
その後ろ姿を見つめて、思う。
主人公として、俺は、初めて、勝てないと、思った。
俺は、アイツほど謙也を愛せているのか――――?
Aに続く!
長い!
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