04/26 07:11 遅刻少年と座敷童子



カチッ
『おはよう!さぁ、朝だよ!起きて、起きて!おはよう!さぁ、朝だよ!起きて、起きて!』

「んー…………あ」

現在時刻、8時20分。

「ちっ、遅刻やぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

朝からうざいこと極まりない目覚まし時計を吹っ飛ばしダッシュで着替える。
バタバタと階下に降りれば朝食だけあって後は誰もいない。
……見捨てられた。

多少の虚しさに押し潰されそうになりながら朝食をぱくぱくと食べて家を出た。
もう間に合う気はしないが遅刻しとんのにゆっくり行くのは何や気に入らないから走る。

校門は閉まっていて、仕方なしに周り込んで裏からこっそりと入った。

「ふう………」
「何しとんのアンタ」
「きゃいいいいいん!!!!!!」

思わず飛び上がり振り向けば片手をポケットに突っ込み立って学ランを着た少年。
そんな少年が迷惑極まりない、といいたげに俺を見ている。
あ…白石と張れるくらいイケメンや。

「何って遅刻したんやボケ!!悪いか!!」
「別に一度や二度遅刻するんはええんちゃいます?アンタこの曜日は毎回遅刻して裏から入っとるやん」
「な、何で知って……!?」
「やってよく教室から見えるんや。」
「………………」
「遅刻ばっかしてんやないでー」

そういって俺を追い越して行ったソイツ。
慌てて振り向けばソイツは、既にいなかった。

「……………誰、やアイツ」



これが俺と、座敷童子のファーストコンタクトやった。



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