04/10 16:32 貧乏神が!〜光の初恋〜



「おはよう財前君!」
「おはようさん」
「財前君!これ家庭科で作ったマフィン!よかったら食べて!」
「おおきに、後で食べさせて貰うわ」
「財前君!写真撮らせて!」
「照れるわあ、あんまり写真映りようないからなあ。かっこよく頼むな?」


彼の名は財前光。
才色兼備、眉目秀麗、文武両道、大金持ちを地で行く高校一年生である。

「んだよアイツちやほやされやがって」
「ちょっとかっこええからって調子乗んなや」
「変な眉毛しとるくせに」
「……………………」




コツコツとゆっくりと屋上に上がって下を見下げた。

「は、はは………」

にい、と笑って財前はフェンスを超えた。

「あーはっはっはっはっ!!!朝から目立ってすんませんなぁ――!!負け犬の遠吠え過ぎて笑えてくるわ!!この世は俺の思い通り!!どうとでもなるんや!!ふははははは!!!!あースッキリ」

ちなみに下。
「腹チラ!!腹チラ!!」
「へそ見えた!?」
「ダメや見えない!!」



「ったく、妬む暇あんなら努力しろや。ま、俺はしたことあらへんけど」

そういってがちゃ、と屋上の扉を開けた瞬間見えたのは、足。

「ッ…………!!」
「はは、驚いてやんのー。朝から性格悪いなぁ」
「!!チッ……朝から寄るなやこの貧乏神が!そのまま首吊って死ね!!!」

首釣りして左手に包帯を巻いている異常生物の名は白石蔵ノ介。(ちゃんと人間の形をしている)
異常に幸福エナジーを持つ財前から幸福エナジーを奪い取る為に神界から来た貧乏神なのだ!!

「人と分け合えへん幸福に価値なんかあらへんって言ってるやろ?いい加減その幸福エナジーを寄越せや」
「アホか。幸福エナジー無くなったら今のゴージャスな生活無くなるやろ」
「この……いい加減にし、」

アーアー!!

「え!?ちょ!!ええええええええええ!!?」
「………カラスの大群にさらわれるとかウケるわあ」


― ― ―




「お、窓際後ろ……最高の席やな」

前は地味男子二人。
あとは隣が女子なら楽……

「よろしゅうな、財前君!」
「ああ、よろ―――」
「俺、忍足謙也!授業中はずっと寝てるから!!」
「………はあ?」
「おい謙也!!お前なに悪魔財前に話し掛けてんだ!!今すぐ女子に代わって貰え!!」
「嫌や!!」
「え………」
「窓際近くの1番後ろ!!こんだけ寝やすいとこ譲るか!!」
「…………そうだよな。病院の切り盛りでほとんど寝れないんだもんな、ゴメンな……」
「………俺、男と馴れ合う気ないねんけど。忍足くん」
「謙也でええよ!」
「いやだから、」
「じゃあ俺を男と思って関わらんでええよ!」
「いや、そんなん………」
「なっ?」

にこ、と自分に笑ってくれた謙也に財前の胸が疼いた。

「………?」
「ほな、俺寝るな!おやすみ財前!!zZZ」
「…………」
「ん……………」
「………変な奴」



財前の心に何か芽吹いただとか何とか。






― ― ―
早くリョ謙光を展開させたい
だがこの設定楽しい!



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