我なのめなり




好きな子が死んだ。悲しかった。暫く俺は死について考えてみたが之といって得た物は無い。あれから三週間、俺の人生に光があたりはじめる兆しは皆無だった。初めて出会ったのは廊下だった。「そのノートの中身みせて」第一声がこれだ。正直見せられるものではなかった。好きな子はもちろん、他校の選手達の細かな個人情報がかかれているからだ。好きな子に関しては誕生日血液型といったオーソドックスな内容からスリーサイズといった、官能的内容まで幅広い。彼女にこのノートを見せることはなかった。彼女との会話は楽しかったが、話の展開が手に取るようにわかった。俺が彼女を知りすぎているからだろう。段々と会話が退屈になってきた時に彼女は死んだ。まさかこんな事になるとは、ここまでは予測出来なかった。彼女の寿命という名の個人情報は俺のノートにはかかれていなかったのだ。彼女は今頃輪廻転生により新たな生命体としてこの世に存在しているだろう。さあ俺の止まってしまった時間はどうしようか。もう一度やり直せるならどんな生き方がいいだろうか。俺はこの時初めて自分が無知だということを感じた。






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