青色の革命時代V
次の日ぼくらは放課後学校の裏庭にいた。空がオレンジ色に染まっていて、心がちぎれそうな気分になった
"もってきた?"
"うん"
"これ、灯油"
"…マッチ…、もってきたけど…"
僕はためらった。急に怖くなった。警察につかまるのか、とか、学校はどうなるんだ、とか、そんなくだらないことに心を痛めた
"何?いまさら怖がってるの?"
"ち…ちが…"
"じゃあ早く出して、人が来るわよ"
"やっぱり、もう少し計画を練った方がいいんじゃないのかい?"
"いまさら何を"
"あまりにも無防備じゃないか、こんな、"
"いいのよ別に。私はつかまってもいいと思ってる。覚悟してる。キミは、違うの?"
"僕は…"
バシャ、バシャ、バシャ
気がつくと彼女が灯油をまいていた。特有のにおいが鼻を襲う。嗚呼、時は進んでいる
"さあ、早くつけて"
"…っ"
"早く、幸村君"
"う、あ"
"早く、精市、精市!!"
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
僕は火を放った
あたりは赤く染まった
サイレンが鳴りだした
僕は、たった一つだけ考えていた
隣で彼女は涙をこぼしていた
なんで僕はこんなことになったんだろう
なんで彼女はこんなことになったんだろう
何が悪かったのだろうか
何が良かったのか
考えても考えても、
頭が働かなくて、
僕は
僕は
一体何が残ったのだろう
それだけ考えた
ウー
あたりは消防車とともに、パトカーにも囲まれていた。パトカーはライトで一転を照らしていた。僕らを、照らしていた。二人で、泣きながら抱き合う僕らを、照らしていた
残ったのは、愛だった
青色の革命時代