ぺっとごっこ



昨日ペットが死んだ。ペットの名はブン太。赤毛のふわふわな髪の毛の、人間の雄だ。ずっとかわいがってきたけど、昨日原因不明の突然死。こんなことなら私が先に死んでおくんだった。予想通り私はペット依存症に陥った。生活することができなくなった。部屋は荒れ、髪の毛も伸び放題で、最悪な環境で呼吸をしているだけだった。新しいペットを買った。銀髪の、雅治って名前。結構かわいい人間の雄だ。彼に正しくしつけし、私の生活も次第に元に戻りつつあった。「はい、ごはん」「今日は食欲ないナリ」バシン。雅治の頬をぶった。なんでそんなこと言うの?なんで、食べないの?ブン太はあんなに喜んで、私の分まで食べてたのに、どうして?どうしていっしょじゃないの?「ねえどうして?」雅治と暮らしているうちに、いろんなことに気が付いた。朝の起き方も、ご飯の食べ方も、歯の磨き方も、見るテレビ番組も、ブン太とすべてが違う。そして私はいちいちブン太を思い出し、涙して、雅治を叱る。ペット依存症なんかじゃない、ブン太依存症だったのね。



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