心配
『名前』
『……千歳?』
『もうお別ればい』
『えっ…』
『俺は猫の国に旅立つばい』
『は?』
『猫と一緒にジブリ見ながら仲良く暮らしてみたか』
『はい?』
『名前…元気で』
『え?ち、ちょっと!』
・
「う…ち、とせ…どこいく…」
「あれ、名前寝言いってるばい」
「すっかり熟睡やな!シャッターチャンス〜」
「ユウ君、しっかりとるんやで!」
「…あほ……千歳のば…か……… 」
「………俺の悪口いってるばい」
「あはは〜嫌われとるやん千歳」
「謙也、うるさかよ!」
▽
「…ふあ…よく寝た…」
ふと目が覚めるとそこはサービスエリア。ああ、あたし結局寝ちゃったんだ。ていうかなんか変な夢見た気がする…
「あ、千歳。おはよ」
「………名前…ホントは俺ん事どうおもっちょるん?」
「は?」
また千歳が変なこといってる。前にもこんなことないっけ。あたしはとりあえずスルーしてトイレにでも行こうとした。もちろん遠山君やら謙也やらはお土産をあさりにいったわけで、バスの中はがらんとしてる。そんなバスの一番後ろにはジャージをかぶった物体が
「…白石?」
「………………」
返事がない。まだ落ち込んでるのかな。
「名前―」
「あ、いまいく」
なんかちょっと心配だった。