着いたけど足りない
千歳と重い荷物を持って歩くこと10分、いつもの学校がみえてきた。
「名前、おもくなか?俺荷物持つたい」
「…大丈夫、」
おかしい。あたしは千歳の服しか入ってないカバンを持ってるのに、なぜこんなにも重い………
「……あ、バスだ」
「みんな早かね〜」
学校の前に止まってる小型バス、こないだの合宿と同じバスだ。…そういえばこないだは千歳が遅刻してきたよなあ
「千歳のばか」
「な、なんねいきなり」
千歳はあたしから荷物をとってバスに積み込んだ。バスの中に入ると馴染みの顔がたくさん。もうみんな来てるのかな、
「あ〜!名前や!」
「お、今日は間に合うたやん千歳」
「あたりまえばい」
「あれ……謙也、白石は?」
「え?あ―」
「何?」
「遅刻やねん」
え?
遅刻?白石が?
「なんで」
「寝坊やって」
白石が遅刻…珍しい。っていうか初めてじゃないか?あんなに責任感ある白石が遅刻………
「あたし、外で待ってるよ」
「名前〜、俺の隣名前でよか?」
「はいはい」
千歳が嬉しそうに席を確保するのを無視してあたしは外に出た。こないだほどではないけど、やっぱり朝は少し冷える。しばらくあたしはバスに寄りかかって白石を待った。そしたら向こうから足音が聞こえてきた。白石だ
「白石!」
「………名前」
「走ってきた?大丈夫?」
「…………あかん」
「へ?」
「…………あかんわ、…遅刻してもうた…」
「し…白石、なんかあったの?」
「……目覚まし時計がならんかった」
「……………………」
「…………俺、部長失格や」
「え?」
白石はひどく落ち込んだ様子で荷物を積み、バスに乗り込んだ。あたしも白石に続いてバスに乗ると、白石が皆に誤っていた。
(大丈夫かな)