あったかい


カチャ






部屋に戻ると浴衣を着た千歳が部屋でねっころがっていた








「サイズあったの?」
「小さかけん、無理矢理きた」







ていうか、似合う。なんかちょっとはだけてるし、目のやりどころが…







ぐいっ







「きゃ…!」
「名前…」







急に千歳にひっぱられて、あたしの体は千歳の胸のなかに収まった







「や…ちょっと…」
「さっきの気にすることなかよ」
「………え?」







千歳の顔を見ると何だかすごく心配そうだった









「あんなん、本気じゃなかよ」
「……………うん」
「名前は笑うとむぞらしか」








千歳はいつも嬉しいことを言ってくれる。だけどそうじゃない。本気か本気じゃないかなんてすぐわかる








「………謙也が…」
「え?」
「謙也が…あたしの悪口言おうとしたときに真っ先に出てきた言葉があれだったから、悲しいの」










千歳から返事はなかった。その代わりに抱き締めてくれてる手が強くなった







「…千歳……」
「…ん?」
「今日はくっついて寝てもいい…?」
「ああ。…変な事してもよか?」
「ばか」









少し早いけど電気を消して千歳とくっつきあいながら横になった。眠れなかったのは昼間寝すぎたせいだからだろうか







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