タブー


「あ!名前!」




謙也が食堂の入り口に立つあたしに気がつきかけよってきた





「どこいってたん?ていうか財前お前いままでどこにいたんや」








謙也はぼーっとする財前君をひきずり席へ戻っていった。あたしもいつもの白石と千歳の間に座った。








「名前今までどこいっとったん?」
「館内をうろうろと」
「名前ー、寂しかったー」







千歳をよしよし、となでてあげながらあたしはお茶を一口飲んだ









「ほら謙也!はよ水とってこい!」
「は!いややし!」
「お前大貧民やろ!」







なんだか不可解な会話を謙也とユウジがしている








「白石…大貧民って?」
「さっき大富豪やってたんや。で、大富豪はユウジで大貧民が謙也。せやから今謙也がユウジの奴隷やってん」
「…あはは」







あほなことしてるなあ







「ほんま謙也はヘタレやなー」
「なあなあ名前ちゃん聞いて聞いて、謙也今日ジュース零したり大貧民なったりほんまにアホやったんやで」
「小春!うるさいで!」
「えー先輩ほんまヘタレやわー」
「財前お前いつから起きてたんや!」
「…謙也ほんとヘタレだねー」







「やかましいわ名前の馬鹿!…この無表情女!」




















その場が一瞬凍りついた







「おい、謙也!」
「え、ちゃうで!えっと、今のは言葉のアヤっていうか…」
「…ちょっとトイレ」











なんだか胸が痛かった





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