真夏日
「今日はこの朝練で練習は終わりだ。明日からの練習に備えて今日はよく休むように」
今日の真田君の話は短いなあ。絶対短いほうがいいよ。それにしても……
「名前〜今日どこいく?」
「わいたこ焼き食べに行きたい!」
「……あたしいかない」
「「「え!?」」」
皆朝から声うるさいよ。
「何言うとるん?」
「…服ないし」
「借りればええやろ」
「誰のを」
「…………」
あ、白石が黙った。でも確かに桜乃ちゃんの服はあたしには小さいからなあ。
「え〜名前いかへんの?」
「……いかない」
遠山君のキラキラな目にやられそうになったけど、なんとか気をとりとめた。
「名前、いかんの?」
「千歳…」
「じゃ、俺もやめよー」
「…………」
なんだかあたしも団体行動乱してる気がする
▽
「じゃ、いってくるで?」
「うん」
「名前ちゃん!お土産何がええ?」
「……ゼリー…」
「名前―!わいが帰ってきたら一緒に遊ぶで!」
「はいはい」
皆はわいわい騒ぎながら旅館を出ていった。急に静かになっちゃったなあ。
「千歳」
「ん―?」
「今から何する?」
「…散歩か昼寝」
「散歩しよ」
昼寝って…この時間だとただの二度寝だろう。散歩ならジャージでもいいし。あたしと千歳はそのまま旅館の外に出た。今日は本当に真夏日。帽子かぶらなきゃ。
▽
「名前名前」
「なに?」
「これ」
「…あ、クローバー…」
「四つ葉みっけ」
「…わあ」
「優奈にあげるばい」
「いいの?四つ葉は貴重だよ?」
「踏み潰せば生えてくるとよ」
「……………(またそれか)」
千歳とクローバーが生えてるところにしゃがんで四つ葉を探してみた。でもやっぱりなかなか見つからないもので。
「今日暑かねえ」
「…千歳は町に行かなくてよかったの?」
「ああ、めんどくさか」
「あ、そう…」
「名前と一緒のほうがよかばい」
「…あ、そう」
やっぱり今日は暑い