呆れ顔





「遅い!!」

「…………………」




もしかしたらこの事務仕事、外での仕事よりキツいかもしれない。確かにあたしの作業は遅いけど…ああもう竜崎先生怖いよー






「……千歳のせいだし、」

「なんかいったかい?」

「別に」






だってさっきから千歳のことが頭から離れないから、急にキスする方がいけないんじゃん、なんかペース乱されてるな、やだなあ。あたしもう今千歳のこと以外考えられないよ―
















ガタン!

「うっ…」





腰と頭を打った。え?あたし今椅子から落ちたのかな。千歳のことしか考えられないとか、おもいっきり居眠りしちゃったよ





「…何してんだてめえは」

「…あ、跡部」

「もうメシだ。早くこいよ」

「え?もうそんな時間?」





時計をみると確かに6時近い。あたしは一体何をしてたのだろう。ていうか仕事終わってないし!





「やりきれなかった書類はそのままにしとけだとよ」

「あ、竜崎先生が言ってた?よかった…」

「早くしろ。向こうの準備もうできてるぞ」

「はいはい」

「あと仕事中に寝るな」

「……………………」





辛口な跡部には逆らえない















「…何をしている」

「…………………」






皆がいる大部屋を前に、ふすまの隙間から中を覗くあたしに対して柳君が不審そうに聞いてきた。だって、今気が付いたけど中に千歳いるんじゃん、恥ずかしい







「名字は恥ずかしがりな一面もあるようだな」

「………何書いてるの?」

「企業秘密だ」






なにそれ、って思ったけど本当に柳君はノートに何を書いてるのだろう。気になってこっそり覗いてみたらさっとそらされた





「とりあえず中に入るぞ」

「え、やだ」




心の準備が





「お前がいやでも俺は入らなくてはいけない。どいてくれ」





柳君はあたしを無視してふすまのを開けた。あたしはさっと隠れようとしてたけど、何故だかわからないけど柳君に中へ引っ張られてしまった。







「あ―!名前ちゃんやん!仕事おわったん?」

「小春…」

「早く千歳のとこ行ってあげなさいよ〜」

「え」






あたしは今度は小春に引っ張られていつもの白石と千歳の間に座らされてしまった。あたしの意思は一体どこへ







「……名前」

「…………………」

「まだ怒っちょる?」

「……………べ、別に」

「名前、こっちむいて」

「……な、何……」






ちゅ









「………………」

「これならよかと?ちゃんと俺起きとるばい!」







なにその笑顔。あたしは千歳にキスされたことよりも違うことが頭をうめつくしていた。だってここは全校が集まる食堂じゃん、












「…千歳、もっと場所をわきまえたほうがええで」





白石の呆れる顔が見えました









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