子供っぽい






「え?キス?」

「…もしかして、覚えてへんの?」







現在朝の六時半。朝っぱらから俺は千歳と二人でなにしとるんやろ。最近千歳と名前のいざこざに巻き込まれたすぎなんやないやろか。







「せやからお前が寝呆けて名前にキスしたんやて!」

「………………え?」






千歳はやっと目を覚ましたような顔をした。こいつほんまに覚えてないんやないか。こりゃ名前が怒るのも無理ないなあ






「……うそ?」

「あほ、ほんまや」

「……うそ!!」

「はあ…」

「え!ど、どげんしたらよかと!?」

「しらん」

「いま名前は?」

「立海の寝坊組と戦いにいったで」

「……はあ、俺、あほたいね」

「おん、全くや」
















「起きろ――――!!」

「「「おわっ」」」






あたしの足元に転がる赤也君と丸井君と仁王君。ああもう、このなんとも言い難い気持ちをどうしようか。この三人にぶつけるしかないとおもう







「もう六時半!いつまで寝てるの!!」

「どどどどうしたんすか先輩」

「うっさい!起きろって言ってんのよ」

「名字名字!お、俺らもういまので目覚めたから!」






必死に訴える丸井君。いまあたしは彼らの敷き布団を引っ張って三人を床に叩きつけたところだ。しかしまだ部屋のすみにいるものがいる。






「ちょっと仁王君!さっきまで起きてたじゃない!」

「…ん〜…」

「こいつ多分二度寝だぜ」

「仁王先輩しょうもないっすね」






あの赤也君にまでこのいわれようだ。少し仁王君が哀れだった。でも起きないなら手段は一つしかない。いまのあたしの気分ではどうも穏やかに起こすのは無理らしい













バシンッッ

「ぅぐッ……」




















「………名前、そこ俺の席なんやけど…」

「何?謙也」

「や…なんもあらへん…」






あたしは千歳の隣が嫌だったから白石の隣だった謙也の席に無理矢理座り込んだ。ちょっと子供っぽいかな、でも千歳の隣はいま行きたくないんだもん






「………名前〜」

「あほやなあ、自分のせいやで」

「名前が俺んことさけちょる…」







千歳が食堂(正しくは大広間)に入ってきて、あたしが千歳を避けて座っているのを見て悲しそうな顔をしてた。







「名前、なにしとるん?」

「うるさいな、白石は黙ってて」

「おもろいなー」





なんか、茶化されてる?いやだなあ。






「…白石…」

「なんや千歳」

「名前と話したか…」

「無理やな」

「……………」

「大体今日名前は外での仕事はしない予定らしいしな」

「え!?」

「昨日名前と跡部が喋ってたやろ?あれ、今日の名前の仕事は竜崎先生の事務手伝いっちゅー話やで」

「ってことは、今日夜まで名前と顔あわせんってことばい!」

「せやなあ」







隣で白石と千歳がぶつぶつ騒がしい。今日は1日絶対千歳と話なんかしてやんないから!








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