二人だけ





「フフっ僕を不審者扱いするなんてさすがだな」

「……………」

「赤也から話は聞いてたけど、思った通り失礼な子だなあ」

「(あんたも失礼です)」






凄く綺麗な笑顔なのに何だかゾッとした。不二君とかぶるんだけど。この人にはあんまり近づかないほうがいいと思う。あたしはそそくさとその場を立ち去って白石と千歳の間に座った






「白石が部長でよかった…」

「どないしたんや急に」

「名前俺は〜?」






のしっと甘えてくる千歳はかわいいけど重い。ていうか会話繋がってないから。






「あ、きくらげだー」

「名前好きなん?」

「うん」

「俺んきくらげ全部食べてよかよ」

「えっ……」






あたしは千歳のきくらげを全部食べて満足した。あ、なんかお腹いっぱいになっちゃった






「…………財前君」

「なんすか」

「この魚食べない?」

「いらないっす」

「………………」





やっぱりぜんざいじゃないとだめかあ。薄情な後輩だ。すると隣から白石の「ごはんは全部食べなさい」という視線が送られてきたのであたしは渋々食べた。

















「うぷ…」

「名前、顔色悪かねえ」

「苦しい…」







やっぱり量が多いよ!でも白石が怖いから仕方ない…。ていうかきくらげ食べ過ぎたかも





「名前―――!遊ぶで―!」

「…遠山君、うるさい……」

「え―っ白石〜名前が冷たい…」

「金ちゃん今は静かにしとき、名前腹痛いて」

「名前どないしたん?」

「名前ちゃんっ水飲み!」






遠山君に加えて謙也と小春たちまで来てしまった。ああ、なんで四天宝寺はこうも集まりやすいのだろうか。見なよ氷帝とかを!皆ほとんど個人行動してるのに…





「…千歳」

「ん?」

「部屋かえろっか」

「かえる!」






千歳はぱっと顔色を変えて、席を立った。犬みたいだなあ。あたしは千歳と一緒に夕飯部屋を出て、自販機でジュースを買って部屋に戻った。














「はあ―お腹いっぱい…」




あたしは部屋につくとでかいベッドへダイブした。きもちいなあ、さすがだな跡部財閥…





「名前―、ジュースどげんする?」

「あ、あたしのは冷蔵庫入れといて」






千歳は自分のジュースを持ってご機嫌でベッドに座りテレビをつけた。







「……今日はご機嫌だね」

「名前と一緒やけん、嬉しか」

「いっつも一緒じゃん…」

「二人だけがよか」






恥ずかしい。なんか、最近千歳言うことが…





ピピピピ




「…あ、あたしの携帯」

「誰から?」

「跡部だ」

「跡部?」





千歳の顔が一瞬曇った気がしたけど、あたしはとりあえず電話にでた。






「…はい」

『名前か?明日の予定について話があるからこい』

「明日の?…今すぐ?」

『ああ、早く来ねえと樺地にいかせるからな』

「今すぐ行かせていただきます」






樺地君がくると思うと少しゾッとしたので、あたしは今すぐ行くことにした。あ、千歳どうしよう






「………千歳」

「……………」

「ちょっと跡部のとこいってくるから」

「……………」

「明日の話するんだよ」

「……………」

「…すぐ戻るから」






千歳から何にも返事がない。でも早くしないと樺地君が来てしまうのであたしは跡部のとこに行くことにした。










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