息ができなくなる




ピンポーン



ピンクの可愛らしい壁にたくさんの花。あたしは今愛子の家のベルを押したのだけど、家可愛らしすぎ!



「はいはい」

「愛子、久しぶり」

「久しぶりやなあ。あ、スリッパだしたで。あがって」



…スリッパがアニマルだ。ウサギの耳とかついてる。愛子の家がピンクでスリッパがアニマル?幻覚ではないのだろうか




「………………愛子」

「なんやねん。家の外見と家の雑貨についてはノーコメントやで」

「………………」




階段を上がると部屋が3つくらいあって、その一つに案内された。中にはいるとバスケットボールがごろごろ転がってたりマンガが散乱してたり、愛子らしい部屋だった。



「家の趣味はおかんやねん。うちは関係ないで」

「……そうなんだ」

「で、なんなん急に。なんかあったんか?」

「いや、明日から合宿だからあっとこうかなって」

「へ〜。で?」

「え」

「話すことあるんやろ?」



鋭い。っていうか顔にでてる?最近あたし顔にでちゃうからな




「……………………………付き合った。千歳と」

「………え!?ほんまに!?」

「う……うん」

「えーびっくりやわ!こないだまで全然なびいてなかったやん。」

「まあ、かくかくしかじかで…」

「へ〜愛やな愛。」



愛子はニヤニヤしながらちゃかしてくる。ああ、恥ずかしい…



「で、それから会ったりしてるん?」

「え、えーっと…」

「なんや」

「……朝ごはん一緒に食べた」

「…へえ?」

「……昼ごはん一緒に食べた」

「ほー」

「……一緒にスーパーいった」

「ふむ」

「……一緒に夕飯食べた」

「おお」

「……一緒にテレビみた」

「んん?」

「……テレビ見ながら寝た」

「へ?」

「……ていう毎日」

「同棲やん!!!!」

「………うん」

「え〜!なにしとるん?いややわこっちが照れるわ!」

「………うん」

「で?」

「え?」

「なんやもっとカレカノらしいことしてへんの?」

「な、なにそれ」

「そりゃちゅーしたりちちくりあったりやろ」

「……?し、してない」

「え!!!???」

「え、へん?」

「…千歳君かわいそうやなあ」

「へ」

「かわいい彼女が目の前に24時間おるのにちゅーもできんなんて」

「…………」
















ガチャ




「……ただいま」


今日はあたしの家に泊まる日だったからあたしは真っ直ぐ家帰った。玄関にはでかい下駄。どうやら千歳は帰ってるらしい



「………千歳?」




リビングに入ると千歳が床で昼寝をしていた。正直でかすぎて邪魔だけど蹴飛ばすわけにはいかない。



「…寝てる」



顔を覗きこむとすやすや寝ていた。こうみると千歳ってキレーな顔してるなあ




「…………名前?」

「あ、おはよう」

「あれ…今何時……」

「もう五時だよ。いつから寝てたの?」

「……部活終わったあとばい」

「うわ…」



人のこと言えないけど、千歳の昼寝時間に驚いた。そしたら手をぐいっとひっぱられてあたしは千歳の胸の中におさまる。



「ん〜〜〜名前〜」

「ちょっと、千歳…」

「…はなしたくなか」




く、苦しい。あたしが脱出しようとしたら、千歳はもっと腕に力をいれた。そしたらふいに愛子の言葉があたしの頭をよぎった。


『ちゅーしたりちちくりあったりやろ』







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -