夏バテ予報







「名字―!飲み物飲み物」

「丸井君…」





タオルを頭に被って少し休んでいると丸井君がやってきた。あたしは丸井君専用の「濃いめ」とかかれたボトルを取って渡してあげた。逆に喉渇くんじゃないのかなあ





「サンキュー!」

「丸井、嬉しそうだね」

「え?」

「なんか顔が笑ってるから……」

「あ、わかるか?」







丸井君はいつも楽しそうだけど、何だか今日はいつもより増してる。なんかあったのかな






「今日の夜、幸村君が来るんだよ」

「…………幸村君…?」

「知らねえの?立海の部長」

「…ああ、そういえばこないだ大会で…」

「昨日今日は定期診察日だったらしくて、今夜来ることになったんだよ」

「……へえ」








幸村君、かあ。顔は覚えてないけど…。どんなひとだろう。あれ、そういえば渡邊先生は?








「名前―ドリンク―」

「あ…ユウジ」

「小春の分もな!」

「はいはい」




あたしは二人分ドリンクを用意してユウジに渡した。








「…ねえ、渡邊先生は?」

「ぶはッ」

「わっ…汚いなあ」

「げほげほ、あーあかん今死ぬかと思たわ」

「……どうしたの?」

「えっ、な、なんでもあらへん!」

「…………で、渡邊先生は?」

「さ、さあ〜わからん」

「………………」

「じゃ!俺練習いくわ」

「……………変なの」







ユウジは変な笑い方をしながら小春の元へ走っていった。なんなんだろ。
















気付いたが此処は山の上。洗濯できないじゃん。また今夜大量に洗濯しなくちゃいけないなあ。そんなことを考えながらあたしは球ひろいのためにコートへ向かった。





「あ―!もうだめ!」

「体力ないなあ岳人」

「くそくそっうるせ―」





そういえば向日君と侑士君はダブルス組んでるんだっけ。結構性格反対だよなあ。







「マムシ!邪魔だ!」

「あぁ?死にてーのか」







桃城君とバンダナの人が喧嘩してる。この二人いつも喧嘩してるけど…そして間に入る大石君が気の毒だ








「…名字が夏バテになる可能性67%」

「………………はい?」








周りを観察しながら球ひろいしてたら、あたしの隣に来た柳君がつぶやいた。なにその数値。夏バテになんかなったことないし!







「ただし、千歳がいない場合は95%だ。気を付ける必要があるな」

「…………………」








ばれてる。なぜ?柳君はそれだけ呟くと練習に戻っていった。







「………千歳かあ」








千歳にほうをちらと見ると楽しそうにテニスしてる。…テニスにちょっと嫉妬。ため息をつきながら千歳を眺めていたらふと目があってしまった。







「…名前!」







あたしを見つけると犬みたいに寄ってくる千歳が嬉しかった。







「ここ、あつかね〜、帽子ば持ってきたと?」

「…タオルだけなら」

「日射病になるとよ」







千歳はあたしの頬に垂れた汗を拭った。







「……あたしテニスに勝てるようにする」

「は?」






いろんな物に嫉妬するのもこの辺にして、仕事しよう仕事







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